2019 Fiscal Year Research-status Report
心磁図の空間フィルタ法による心疾患の心筋電気活動の解明と高精度診断システムの開発
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19K12837
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 宏一郎 岩手大学, 理工学部, 教授 (60277233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉町 勝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40250261)
岩井 守生 岩手大学, 理工学部, 助教 (60825876)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心磁図 / 信号源推定 / 心機能可視化 / 信号処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終目標は、心疾患における電気活動を解明し、心疾患の早期発見・高精度診断を実現し、健康寿命を延ばすための診断システムの開発である。そこで本研究では、心磁図を用いて心臓の電気活動を高精度かつ三次元的に可視化を行い、心機能の診断を行う。 今年度は、心磁図を用いて心臓の電気活動を高精度かつ三次元的に可視化のために、シミュレーションによる信号源推定に適した心磁図の計測方法の検討を行った。従来、心磁図の信号源推定では、胸部のみに測定点を設定して行われている。しかし、信号源の存在位置により推定精度が低下する問題がある。そこで、測定面を胸部の離れた位置、背面、両側面など複数位置の組み合わせによる推定精度向上の検討を行った。その結果、従来の胸部のみの計測に比較して、胸部、背面、側面の3カ所を計測することにより、推定精度が向上することを定量的に求めた。また、計測面が心臓より離れることによる信号対雑音比の低減による信号源推定精度の悪化による影響を検討し、信号源推定プログラムにノイズ対策の改良を行った。この問題は、引き続き検討する必要がある。 さらに、心磁図のシミュレーションのための心臓モデルの検討を行った。心臓モデルを実際の心磁図信号に近づけるために三次元の心筋活動モデルを作成した。引き続き、心臓モデルの有効性を検討する必要がある。 なお、新たな研究組織の構築や研究課題の実施のために、代表者と分担所の所属機関へ、倫理申請を行い、承認を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」に記載した信号源推定のプログラム作成と複数測定面のへの対応は、順調に進んでいる。一方、実際の心疾患データの解析は予定より遅れている。これは、代表者と分担者が所属する機関での倫理審査に時間がとられたためである。この問題は、解決されているので、今後は順調に進むと考えている。 ただし、新型コロナウィルスの関係で、両研究機関への移動の制限があり、心疾患データの解析が、行えるまで時間がかかる心配がある。心疾患データは、秘密性の高いデータであるため、その取扱いの検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き、心臓の電気活動の可視化のための信号源推定プログラムの改良を行い、精度の向上を行うとともに、心臓モデルの最適化の検討を行う。 さらに、心疾患データを用いた心筋活動の可視化を実施する。ただし、上記「現在までの進捗状況」に記載したが、心疾患データの取り扱いで問題が起きる可能性がある。その際は、心臓モデルの更なる高精度化や心疾患モデルを作成し、シミュレーションによる研究を実施する。
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Causes of Carryover |
年度末に予定していた分担者の所属機関への出張が実施できなかったため、予定していた旅費が使用できなかった。また、謝金として、学生アルバイトでのデータ処理を自ら実施したため、その分の謝金が使用しなかった。 繰り越し分は、今年度実施できなかった上記内容を実施するための、次年度の予算とする。
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Research Products
(5 results)