2019 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性腎障害における腎保護性蛋白であるL-FABPの前臨床研究
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19K12838
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
片山 泰章 岩手大学, 農学部, 准教授 (70436054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 岩手大学, 農学部, 教授 (00726606)
宮崎 雅雄 岩手大学, 農学部, 准教授 (20392144)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎線維化 / UUO / 猫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は猫の閉塞性腎症モデルの作成に取り掛かった。 げっ歯類で実績のある左側尿管結紮により閉塞性腎障害を惹起し、右腎摘出することにより左腎機能を観察することが可能なNephrectomy-Reverse-Unilateral Ureteral Obstruction (NRUUO)モデルの作成を試みた。先行研究より4週間の尿管閉塞では明らかな線維化病巣の確認が困難であったため、本研究では8週間の尿管結紮を試みた。まず腹部正中切開後に左尿管を露出、モノフィラメント吸収糸で2回結紮し尿管閉塞を起こし左腎の水腎症を惹起した。1回目の手術から8週間後、左尿管を結紮部位よりも近位で切断し、その切断端と膀胱を吻合し尿路を再開通させ閉腹した。その後2週間の腎機能回復期間をおいた後に右腎を摘出した。術後、経時的に動物の腎機能をモニタリングした。右腎摘出後BUN、Cre、SDMA及び尿中L-型脂肪酸結合タンパク(L-FABP)は高値を示した。左腎のみとなった実験猫は乏尿を呈し一般状態が悪化したため3日後に安楽処分とした。右健常腎組織サンプルと異なり、左腎組織サンプルには、HE、マッソントリクローム、αSMA染色において尿細管間質の線維化、炎症細胞の浸潤が顕著に認められた。次年度の研究では薬剤の腎線維化への影響を検討することを目的としているため、右腎温存した8週間の尿管閉塞によるUUOモデル(腎線維化モデル)とすることにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験猫の入手困難であったため、腎線維化モデル作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ベラプロストのL-FABPへの影響を調べるため、まずはげっ歯類での先行研究を検討している。健常猫においても同様の検討を検討している。
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Research Products
(1 results)