2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of an innovative SPECT system that enables a kinetic analysis of organs
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19K12849
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
尾川 浩一 法政大学, 理工学部, 教授 (00158817)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SPECT / ガンマカメラ / モンテカルロシミュレーション / 静止型データ収集 / 動態解析 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は再構成画像のアーチファクトを低減するための画像再構成法の開発を中心に行った。ピンホールイメージングでは、ピンホール径の大きさが再構成画像の空間分解能を劣化させるため、投影データ上で実空間のデコンボリューションを実施し空間分解能の改善を行った。この系ではシフトバリアントな点応答関数を有することとなるので、空間的な位置に応じた点広がり関数を定義しデコンボリューションを行った。また、別の試みとして深層学習を用いた方法で、画像再構成を行い空間解像度の改善を試みた。シフトバリアントなデコンボリューション処理も深層学習を用いた画像再構成も膨大な計算が必要になるため、購入したGPUを活用して演算時間の短縮化を行った。両者の方法とも空間解像度を改善することができた。また、投影角度が制限されることに起因するアーチファクトは、従来の方法ではなかなか改善することができなかったが、深層学習を用いた再構成では限られた系の中で学習を行うためアーチファクトの低減に寄与した。また、学習に要する時間は長いが、いったんニューラルネットのパラメータが決定されれば、画像再構成には時間がかからないので深層学習をもちいたアプローチは有力な画像再構成法になることを確認した。さらに、ピンホールイメージングにおいて混入する散乱線の除去についても検討を行い、モンテカルロシミュレーションでどの程度の散乱線が混入するかを明らかにしたのち、除去法としてTEW法と散乱カーネルを用いた方法を比較した。この結果、ほぼ同程度の散乱線除去効果があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続きピンホールSPECT画像の画質改善、特に空間分解能の改善に取り組んだ。昨年度は周波数空間での処理を試みたが、画質が大幅には改善せず、また、処理上のパラメータ設定などの問題解決が困難であったため、今年度は実空間でのシフトバリアントなデコンボリューションを実施した。これにより画質が著しく改善した。また、投影角度が限定されることに起因するアーチファクトの発生に関しては、画像再構成法として従来のML-EMなどの逐次近似的方法をやめ、深層学習を取り入れた方法を実施したところ、アーチファクトの低減が見られた。しかしながら、画質をさらに上げるためにはネットワークのパラメータのチューニングが不可欠であり、これについては次年度に実施するものとした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスによる影響が企業の業績や業態を変化させたために、今まで継続的に研究協力を得ていたキヤノンメディカルシステムズ社との間での本課題の研究協力が困難となった。これにより、2021年度に予定していた実際のSPECTシステムを用いた実験等が困難となり、本研究課題ではコンピュータシミュレーションによる評価にとどまることとなった。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの関係による研究発表等の抑制によって残金が発生した。これらの残金を次年度に繰越し、備品(コンピュータ)を購入することで研究をより効率的に進める予定である。
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Research Products
(3 results)