2019 Fiscal Year Research-status Report
多様な計測が可能な完全非侵襲リアルタイムイメージング血流計測装置の開発
Project/Area Number |
19K12855
|
Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
秋口 俊輔 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50462130)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 智紀 富山高等専門学校, その他部局等, 講師 (10735525)
安東 嗣修 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (50333498)
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
八賀 正司 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80123305)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 非侵襲計測装置 / 血流計測装置 / 音響光学素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はレーザー光を用いた多様な計測が可能な完全非侵襲リアルタイムイメージング血流計測装置を開発するテーマである。本装置は、「流速及び流れ方向を安価な装置ながら高精度に平面領域を一挙取得可能」、「流速情報のリアルタイムイメージング機能が可能」、「レーザーが到達可能であれば不可視領域でも計測可能」、「血流速度が絶対値で取得可能」などこれまでにない可能性を持った次世代の装置を目指している。 本申請での具体的な目的は「非侵襲計測」と「血流計測」を可能とする「高精度リアルタイム」計測装置の開発である。これについて、本申請では「生体内血流速方向情報」を含んだ血流情報の「リアルタイムイメージング」が、「計測領域拡張」した状態で実現できるのか?をテーマとして取り組んでいる。 「生体内血流速方向情報」では流体の流れ方向を音響光学素子(AOM)を用いて正流・逆流が判別可能な装置の開発を行っている。本年度はAOMを含んだ光学系を構築し、流れ方向を変化させた流路において正常に計測できることを確認した。 「リアルタイムイメージング」においては、10ms以下での処理の目指しているが、現在想定している最大計測範囲である64chでは10ms以下での処理が可能であることを確認した。 「計測領域拡張」については流速情報を含んだ光(散乱光)を受け取る受光部が線状の装置にAOMを搭載して計測を行った。その結果、多点で同時に流速方向・速度を取得できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請では「生体内血流速方向情報」、「リアルタイムイメージング」、「計測領域拡張」の3つのテーマをたてて、非侵襲計測と血流計測を可能とする高精度リアルタイム計測装置の開発に取り組んでいる。 本年度については、「生体内血流速方向情報」ではこれまでに開発している生体内血流速度計測装置にAOMを組み込むことで、速度に加え流速方向取得機能を追加した。これについては人工流路での流速方向が取得可能なことを確認した。「リアルタイムイメージング」については、AOMを導入してもリアルタイム処理能力を確保できるかについて検証した。その結果、想定範囲内でのリアルタイム処理能力を確認した。「計測領域拡張」では、AOMを導入した装置において、多点で同時に流速と方向を同時に取得可能か実験を行った。その結果、人工流路において流速方向を変更しても多点を同時に、正常に識別できることを確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
AOMを導入した多点同時計測には成功しているが、各chでの受信強度にばらつきがみられる。これを解消するための手法、装置について検討する。また現在は人工流路を用いた実験を行っているが、これをいきなり生体計測へと移行することは技術的、倫理的な面で超えるべきハードルが多い。そこで、まずは培養した細胞片などを対象にした計測実験を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
今後の研究計画を見据え、当初購入予定であったレーザーを既に所有している機材に置き換え、細胞培養用の機材購入へ変更したために生じた。本年度未使用であった助成金は細胞片を用いた実験を軌道にのせるための各種装置、細胞培養関連試薬等に用いる。
|
Research Products
(4 results)