2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K12857
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (50392246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PET / 検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的なPET検出器は微小なシンチレータと少数の受光素子から構成され、効率的検出が可能であるが、アナログ演算の過程で誤差を生じる。一方、シンチレータと受光素子を1:1で対応させることで演算誤差を生じないデジタルPET検出器も提案されているが、受光素子のサイズによってシンチレータのサイズが制限される。本研究では高精度かつ効率的に信号を取得可能であり飛行時間差(time-of-flight:TOF)も取得可能な3次元デジタルTOF-PET検出器を開発した。受光素子の1/4サイズのシンチレータを用い、 シンチレータは受光素子との接続面以外を光学的に遮蔽する。 この際、2つの受光素子をまたがる1対のシンチレータの上部の一部分のみを光学接続する ことで 受光素子の組み合わせと出力比で検出したシンチレータを一意に決定できる。本方式 によってシンチレータ数の1/4 の受光素子でデジタル PET 検出器を実現で き、出力比から深 さ情報も取得可能な3 次元デジタルTOF-PET検出器を開発する。 1.45x1.45x15 mmのLGSOシンチレータを14x14に積層し、8x8のMPPCアレイに光学接続することでプロトタイプ検出器を開発した。全てのLGSOを容易に識別でき、 約5 mmの深さ識別能、10%の高いエネルギー分解能と293 psの高い時間分解能を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
シンチレータをさらに高速なLGSOに変更し、300 psを切る時間分解能を達成した。また、複数の検出器でシンチレーション光を共有することで検出器の大型化を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
検出器作成において、シンチレータの表面状態等の最適化の検討結果について論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
検出器の最適化を実施する過程でシンチレータの表面状態を粗面と鏡面を組み合わせることで検出深さ性能等が改善する知見が得られた。これらの研究を公表するために延長申請を行った。 未発表データのさらなる解析を行い、学会参加及び論文投稿のため次年度予算を使用する計画である。
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