2022 Fiscal Year Annual Research Report
撮像時間短縮技術を使用したMR画像による血流動態解析の精度検証に関する研究
Project/Area Number |
19K12863
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
福山 篤司 日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (40452198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒田 治夫 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(保健), 教授 (40223060)
小山 修司 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(保健), 准教授 (20242878)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 4D flow MRI / 血流動態解析 / 精度評価用流体ファントム / 模擬血管ファントム / velocity encoding(VENC) / 圧縮センシング技術 / パラレルイメージング技術 / 流速ベクトルの歪み |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究ではVelocity Encoding(VENC)を印加するタイミングであるtrigger timeがずれてしまうことによって、正しい血流動態解析が行えない可能性を示唆し、速度ベクトルの方向や壁剪断応力の結果に影響を及ぼすことを明らかにした。令和4年度は精度評価用の直管ファントムではなく、ヒトの頸動脈を模擬した複雑な走行の血管ファントムを作製し流体実験に使用した。定常流の壁剪断応力(WSS)、振動剪断指数(OSI)はともにファントム配置の違いによる変化は認められなかったが、拍動流において内頸動脈と外頸動脈が0度と90度になるような配置でWSSの高い領域がほぼ同じ変化であることが確認できた。しかし、45度に設置した場合では他の配置と比較してWSSの高い領域が異なり、時間と経過とともに円を描くような軌道がみられた。また、同部位のOSIでは分布の偏りが見られた。 本実験で使用した心電同期の方法はProspective Gating法で、3方向へVENCを印加すると、それぞれの trigger timeには時間的なズレが生じてしまう。2方向以上のVENCが関与する血管走行の血流に対しては、速度ベクトルの誤計算を生み出し、WSSやOSIなど血流動態解析の結果に影響を及ぼす可能性があるため注意を要することが明らかとなった。 研究期間全体を通して、(1)撮像時間短縮技術を併用した4D FLOW MR撮像の精度検証を行い、PAT factorを増加させて撮像時間の短縮を実施しても、精度を低下させることがないことを明らかにした。(2)精度検証用の流体ファントムを考案し、その有用性を明らかにした。(3)心電同期法の違いによって、流速ベクトルの誤計算が明らかとなり、血流動態解析の結果に影響を及ぼす可能性を示唆した。この問題点については、今後詳細な検証を行い、改善方法を考案する。
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