2019 Fiscal Year Research-status Report
Measures to use immunosuppressive agents properly in regenerative medicine
Project/Area Number |
19K12864
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角 栄里子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30452337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 登志子 (伊藤登志子) 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90425447)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 免疫抑制剤 / PMDA / FDA / 臓器移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞等を用いた再生医療で併用される免疫抑制剤は、十分な使用実績によりリスクが特定されていることが多いものの、再生医療に関する試験から明確なデータを得ることが難しく、薬事的には適応外使用となることが多い。本研究は、「再生医療を受けた患者さんに免疫抑制剤を適切に投与するための方策」を、検討することを目的とする。 初年度は、以下の2点の調査を行った。 1, 免疫抑制剤承認時の有効性判断:免疫抑制剤10薬剤について、PMDA、FDAのホームページより審査報告書を入手し、臓器移植において承認を得た際の試験デザイン(対照群の設定)、有効性の評価項目と判断根拠について集計した。 PMDAでは腎・心・肝移植に加え、肺・膵臓・小腸・骨髄・造血幹細胞移植について薬剤ごとに適応が定められている。10薬剤38の適応のうち、ランダム化比較試験成績が確認できたものは4薬剤の8つの適応のみで、1薬剤1適応で単群試験が実施され、他は医療上の必要性の高い未承認薬・適応外使用、または臨床使用成績・公表論文結果に基づく承認、または審査過程は公表されず承認されていた。 一方で、肺・膵臓・小腸・骨髄・造血幹細胞移植についてFDAの承認を得ている薬剤はなかった。FDAから承認を得ている14ケースのうち、10のケースでランダム化比較試験の結果に基づき承認されたことが確認された。残りの3つのケースでは審査結果が認められず、1つでは実際の使用経験に基づく承認であることが記載されていた。 2, 適応外使用に関する海外の制度の調査:アメリカ、EU、アジア(台湾、シンガポール)、オーストラリアの医療保険、適応外使用に関する保険償還について、文献調査、AROネットワークを通じた調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫抑制剤承認時の有効性に関する調査、適応外使用に関する海外の制度の調査など、計画通りに実施しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究者、行政担当者、企業関係者、保険会社からの調査を行い、どのようなシナリオであれば有効性・安全性を担保しつつ、再生医療における免疫抑制剤がスムーズに使用可能になるのか、検討を進める。
|
Causes of Carryover |
実際には当該年度分をほぼ使用ずみ。
|