2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of third party audit for treatment planning and irradiation position accuracy in therapy
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19K12865
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小澤 修一 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任准教授 (20360521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療安全 / 放射線治療 / 第三者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
「第三者評価による放射線治療品質管理」は、がんの放射線治療の安全性確保に重要役割を果たすが、実施すべき管理項目は多岐に渡るため、評価する側とされる側の双方に多くの負担がかかる。そこで本研究では、まだ効率的な手法が確立されていないが、現代の放射線治療にとって重要な項目に関する新しい調査手法を開発する。第三者評価活動の継続性を高めるため、開発した評価手法が、評価を受ける施設はもちろん、評価する側の負担を軽減できるよう、インターネット経由のデータ提出とデータの自動解析を含めた包括的な第三者評価システムも併せて開発する。平成2年度の研究成果については以下の通り、おおむね計画通り順調に進捗した。 平成2年度は、昨年度開発した調査手法に基づき製作した試作郵送ファントム及び第三者評価用クラウドサーバによる試験調査を研究協力者が所属する放射線治療施設で実施した。また、研究協力者との定期的なミーティングにより、昨年度作成した調査手順マニュアルやファントムの問題点の抽出を行い、改良点の検討を継続的に行った。また、被調査施設からウェブ経由で提出される試作品郵送ファントムの撮影画像データを解析し、放射線治療計画における患者体内の線量計算精度と模擬腫瘍位置と治療用X線ビーム中心の誤差を算出するソフト開発についてはほぼ完成しており、第三者評用クラウド価サーバに組み込んで画像解析のテストを行っている。平成2年度の成果により、本研究の目的である、簡便かつ効果的でこれまで実施することが難しかった放射線治療の管理項目に関する第三者評価手法の開発について目処が立った。平成3年度は本研究の最終年度であるため、これまで開発したものの最終的な改善を行うと同時に、開発した調査手法や試験調査の結果を広く発信し、国内のみならず、海外施設からも調査参加を募る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗について、当初の研究計画に従い、以下の4項目について進捗状況を報告する。これまでのところ、当初予期していない課題は発生しておらず、概ね順調に計画が進展している。その他、当初の研究計画には含まれていない内容であるが、本研究による第三者評価手法の海外展開を目指し、マレーシアのマラヤ大学への共同研究提案であるが、コロナの影響により手続きが滞っている。 1.ファントムデザインの考案:昨年度に完成させた郵送ファントム試作品を研究協力者所属施設に順次郵送し、各施設にて治療計画に使用するCT撮影装置及び放射線治療装置にて郵送ファントムを撮影し、実際の検証手順のテストを行った。その後、問題点を抽出し、最終的なファントムデザインは完成したが、実物の完成は令和3年度へ持ち越しとなった。 2.第三者評価データベースの構築:昨年度に完成させた外部データサーバを用いて、研究協力者所属施設より、第三者評価に必要な関係データのアップロードテストを実施した。全てのデータ登録は昨年度に外部のレンタルサーバを使用し、当初の計画通り、構築したクラウドサーバへウェブページ経由で行い、管理者がユーザ管理や提出されたデータ管理可能であることが確認した。 3.画像データ解析ソフト開発:昨年度開発したCT値・密度変換テーブルの評価のための解析プログラムに加え、新たに開発した治療X線ビームの照射位置精度解析プログラムについても、外部データサーバへの実装を行って解析テストを実施した。 4.郵送調査手順の最適化とマニュアル作成:前述の協力者が所属する施設での試験調査や各担当の進捗について、月1回のミーティングを行い、手法や手順書の最適化を実施して、ほぼ完成の状態となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗を受け、令和3年度についても当初の研究計画に従い、以下の4項目について取り組む。現状では、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での想定外の課題はない。 1.ファントムデザインの考案:最終版ファントムのデザインは完成しており、令和3年度中に最終版のファントムが完成予定である。平成3年度は、研究協力者所属施設以外での試験調査を実施する。 2.第三者評価データベースの構築:システム自体はほぼ完成したため、新たに実施する試験調査で生じた問題点への対応を継続して行う。 3.画像データ解析ソフト開発。画像データ解析ソフトについても、試験調査により提出される様々なモダリティーから出力されたDICOM画像データでも解析が正しく実施されるように汎用性を高めるための改良を継続して行う。 4.輸送調査手順の最適化とマニュアル作成。試験調査による問題抽出と改良を継続して行う。 研究協力者以外の所属施設での試験調査は研究機関終了後も継続する予定であるため、本研究の全期間を通じて行ってきた研究協力者との毎月のミーティングは研究機関完了後も継続して行う計画である。平成3年度は本研究の最終年度であるため、これまで開発したものの最終的な改善を行うことの他、開発した調査手法や試験調査の結果を学術雑誌や学会発表等で積極的に発信し、国内のみならず、海外施設からも試験調査への参加を募る。マレーシアのマラヤ大学へ提案中の共同研究を含め、その他の海外施設にも参加を促し、国際協力研究への活動展開を目指す。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、郵送調査用ファントムの最終版を平成2年度に製作し、実物が完成する計画であった。研究協力者所属施設での試験調査により、改善点の抽出を抽出し、最終のファントムデザインは完成した。しかし、実際の製品の発注が平成3年度へずれ込み、それに伴い最終版ファントムの製作費が平成2年度内に執行できなかったが、令和3年度中に執行予定である。
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[Presentation] 広島県における物理QAに関する技術支援活動の進捗状況2020
Author(s)
小澤修一, 中尾稔, 三浦英治, 早田将博, 羽原幸作,草場颯, 山田聖, 辻和夫, 三木健太朗,河原大輔, 中島健雄, 越智悠介, 津田信太朗,森本芳美, 清堂峰明, 川久保淳, 野崎浩茂, 豊田義政, 久保康行, 永田靖
Organizer
日本放射線腫瘍学会第33回学術大会
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[Presentation] Development of a CT number calibration audit phantom and the tolerance levels for each tissue type2020
Author(s)
Minoru Nakao,Masahiro Hayata,Shuichi Ozawa,Hideharu Miura,Kiyoshi Yamada,Kosaku Habara,Humio Okamura,Daisuke Kawahara,Kentaro Miki,Yusuke Ochi,Shintaro Tsuda,Mineaki Seido,Yoshiharu Morimoto,Atsushi Kawakubo,Hiroshige Nozaki,Hirofumi Fukunaga,Yoshimasa Toyota,Yasushi Nagata
Organizer
Engineering Physical Sciences in medicine conference 2020
Int'l Joint Research
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