2019 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of magnetic field effects on osteoblastic cell lines under controlled magnetic conditions
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19K12875
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
山口 さち子 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 作業環境研究グループ, 上席研究員 (30548954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 学 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00418873) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 静磁界 / 磁界勾配 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,強度と勾配を統制した磁場環境の下で実験を行うことで,造骨細胞系の磁場影響についてこれら二要素の整理を目的とするものである.2019年度は,1)磁場条件の選定及び,2)磁場条件での細胞の培養を実施した. 1)については,現在までに造骨細胞系への潜在的な磁場影響が示されているものの条件の整理がなされていないことから,関連文献より影響のあるばく露条件の抽出を試みた.PubMed及びEMF-netの2つのデータベースより,2004年以降の静磁界に関する139件の論文を抽出し,うち41件について評価を行った結果,静磁界ばく露のみである場合数十~数百mTの磁束密度の条件で影響が検出されていたが報告は限定的であった.このため,強度(磁束密度)条件は400 mT程度までとすることとした.続いて,不均一磁場環境の実験用永久磁石(SmCo磁石)W60 mm X H60 mm X D9 mmの磁場分布の特性評価を行うため,XY平面を5 mm間隔,Z平面は0 mmの地点で3軸ホール素子を用いて磁界測定を実施した.その結果,磁束密度の最大値が355 mT(x,y=55,40),最小値217 mT(x,y=20,35)で目的範囲の磁束密度が得られた.また,中心部10 mm X 10 mmの範囲で磁束密度が223±1.3 mTと均一性を有し、XY平面勾配は0-3 mT/5 mmであった.中心部以外は連続的に値が変化していた.最大勾配は辺縁部350 mT ,55 mT/5 mmであった.磁石表面に96 well dishを設置し,目的アウトカムを磁束密度と勾配の2元配置分散分析にて解析することとした. 2)については,CO2インキュベーター内の非磁性化を図ることで永久磁石を設置しながらばく露培養を可能とする実験系を構築した.骨芽細胞で予備実験を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ばく露条件設定等は問題なく実施できている(ただし,現在新型コロナウィルスによる影響で3-5月は実験がストップしている).
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験を担当する分担者が異動にともない分担を外れたことから2020年度に予定していた動物実験の予備実験は行わず,細胞実験のみの評価とすることとした. 2020年度は,2)磁場条件での細胞の培養の続きとして,マウスMC3T3-E1細胞の実験を実施する.磁石表面に96 well dishを設置し,目的アウトカムを磁束密度と勾配の2元配置分散分析にて解析する. また,現在使用中の磁石は不均一性が高いため,対照実験のため均一性の高い磁石を製作し実験を行う.
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Causes of Carryover |
下記の理由により次年度使用額が発生した. ・既存品の利用を優先したため,特注ネオジム磁石の磁石の発注が後ろ倒しとなっているため. ・施設の有償貸与が発生しなかったため. ・予定していた出張がキャンセルとなったため.
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