2020 Fiscal Year Research-status Report
先天性上肢形成不全児のための小型軽量の電動義手の開発
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19K12883
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 雅博 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 准教授 (40584511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 義手 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,先天性上肢形成不全児のための小型軽量の電動義手を実現するため,電動ハンド,電動肘,電動肩,ソケット(欠損部位を挿入)をモジュール化し,距離センサを用いた操作システムと組み合わせて用いることで,前腕欠損,上腕欠損,肩欠損のすべてに対応可能な電動義手を開発するものである. 令和元年度までで電動ハンド,電動肘,ソケットの試作が完了したため,本年度は電動肘および電動ハンドと金属パイプで接続可能な電動肩を試作した.電動肩にはサーボモータを内蔵し,筋隆起センサからの入力により肩関節を0度から100度まで屈曲可能とした.また,電動肩と電動肘を2個の筋隆起センサによって独立に制御するため,2個の筋隆起センサの入力と2個のサーボモータを独立に制御できるコントローラの開発を行った.電動ハンド,電動肘,電動肩を接続し肩義手を構成し,ハンド,肘,肩の各自由度を独立に操作できた.肩義手の総重量は529gとなり,目標とする600g以下を達成することができた.健常者5名による筋隆起センサを用いた机上の物体(ぬいぐるみ,ブロック,せんべいなど)の把持を行うテストでは,肩義手を初めて使用する場合でも,10分程度の学習時間を設けることで,物体を把持することが可能であることを確認した.また,水圧アクチュエータにより電源を必要としない義手の駆動方法や形状の異なる物体を安定して把持するための指機構についての基礎的な研究も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度までの電動ハンド,電動肘の試作が完了し,令和2年度は電動肩,コントローラの試作を終えて,肩義手が構成できる段階に達しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでで試作している電動ハンド,電動肘,電動肩,コントローラについてさらに改良を行う.また,複数名のユーザ評価を行う予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナのため出張や国際会議旅費などが発生しなかった.次年度は論文投稿料などに使用予定である.
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Research Products
(3 results)