2021 Fiscal Year Annual Research Report
先天性上肢形成不全児のための小型軽量の電動義手の開発
Project/Area Number |
19K12883
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 雅博 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 准教授 (40584511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 義手 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,先天性上肢形成不全児のための小型軽量の電動義手を実現するため,電動ハンド,電動肘,電動肩,ソケット(欠損部位を挿入)をモジュール化し,距離センサを用いた操作システムと組み合わせて用いることで,前腕欠損,上腕欠損,肩欠損のすべてに対応可能な電動義手を開発するものである. 令和2年度までで,電動ハンド,電動肘,ソケット,電動肩の試作が完了し,令和3年度はこれらのユーザ評価を行う予定であった.しかしながら,コロナ渦によってユーザ評価が困難になったため,ハンドのバリエーションを増やすため,用途に応じて交換可能な球をモチーフとした幼児用手先具を提案した.幼児の遊びを分析し,幼児が良く行う遊びのうち両手が必要な7種の遊び(ハサミでの工作,お絵描き,折り紙,ブロック,釘打ち,なわとび,ボール遊び)を抽出し,これらに対応する手先具を開発した.ハサミでの工作に対しては紙を把持する手先具,お絵描きに対してはクレヨンやペンなど様々なサイズの筆記用具を把持する手先具,折り紙に対しては紙を折り細かい部分に折り目をつけられる手先具,ブロックに対しては勘合したブロック外せる手先具,釘打ちに対しては4種の釘を把持できる手先具,なわとびに対してはなわとびを把持できる手先具,ボール遊びに対してはボールを両手でキャッチしたり投げたりできる手先具を提案した.幼児が興味をもって使用できるように,球をモチーフとしたカラフルな玩具のような外観とした.これまで開発したソケットと組み合わせて使用できるネジ交換式の接手を開発し,幼児自ら交換することを可能とした.モータやバッテリを使用しないため,150gと軽量であった.開発した手先具を用いて健常者1名による模擬ソケットにより操作評価を行った.その結果,すべての手先具で目的とした遊びを行うことが可能であり,開発した手先具の有効性を確認した.
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