2019 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ波レーダーを用いた単一センサでの非接触血圧変動推定と健康管理への応用
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19K12884
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鈴木 哲 関西大学, システム理工学部, 准教授 (50306502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 光鎬 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (80756677)
星賀 正明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90309154)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血圧変動 / 非接触 / 推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,①非接触計測に基づく血圧変動の推定式開発,②レーダーセンサを含む生体計測システムのプロトタイプの開発,③推定式の有効性確認のための研究室内での検証実験の実施,④生体と同等の電気的特性を有する生体等価ファントムを含むVitro系の開発,の4点を目的とした.結果として,計画したこれら4点すべてにおいて一定程度の良好な結果を得た. まず,血圧変動の推定式については,当初パイロットとして検討をしていた推定方法を改良し,この方法については特許出願を行った.またこの方法に加え,拍動波形より血圧変動に係わるより詳細な情報を抽出し推定する方法と,血圧変動に伴う血管変動の情報のみを用いた推定法の2種をさらに考案した. 次に,プロトタイプについては,24GHzの小型センサを利用したプロトタイプシステムを開発するとともに,開発した推定式をアルゴリズム化し実装した.その他,ミリ波レーダーによるプロトタイプもパイロットとして開発・調査を始めた. 3点目の有効性を確認するための検証実験を実験室内で行った.健康男子大学生10名に対し,血圧変動生じさせるための2種類の負荷を与え調査した.結果として,課題はあるものの概ね良好な結果が得られることを確認した. 最後の4点目の課題である生体等価ファントムを含むVitro系の開発については,計測時を想定し,体表面の変位が大きい手首付近の橈骨動脈を模擬し開発した.当初予定した動脈を模擬したシリコン製チューブは電気特性が生体と異なり結果が好ましくなかったことから,豚の頸動脈に変更するなど工夫し調査を実施した.結果として,想定した理論通りの値を示すことを確認し,このVitro系を利用し開発したプロトタイプシステムで計測・推定した圧力変動もある程度良好に推定できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としている推定式については,現段階で計3件検討しており,そのうち1件は特許出願済みである.また,レーダーセンサを備えた非接触生体計測システムのプロトタイプ開発も終了し,検証実験も実施して推定式,プロトタイプ双方の有効性を一定程度確認できている.さらに,詳細な検討をするためのVitro系の開発も,良好な結果も出つつあることから順調に開発が進んでおり,現状では想定通りの十分な進展が認められると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,推定式については更なる改良を検討する予定である. また,非接触生体計測システムのプロトタイプについては,想定内ではあるものの体動によるノイズの影響が認められたことから,特に前処理部分のアルゴリズム開発と実装を予定している. さらに,Vitro系についてもある程度有効性のある結果が出ているものの,現状で調査数が少ないことから,継続してデータ収集と有効性確認を行う予定である. その他,計画上次年度以降に臨床データ収集を目指し,実際の患者による調査を実施する予定であることからその準備を開始する.
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Causes of Carryover |
当初計画では情報収集を実施予定で,そのための国内学会参加を検討していたところ,新型コロナウィルスの影響で取りやめとなったことから,次年度使用額が生じた.
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Research Products
(1 results)