2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a pet robot that promotes intimacy using the pupil response for close rapport
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19K12890
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
瀬島 吉裕 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (40584404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション / ヒューマンインタフェース / ノンバーバルコミュニケーション / 親近性 / 新奇性 / 協調設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「(1)親近性促進モデルの開発」,「(2)親しみやすい瞳孔反応ペットロボットのコミュニケーションデザイン」を主要テーマとして進めている.本年度は,前年度に開発した新奇性を高める表現手法と,親近性を強化する表現手法を統合し,親しみやすいコミュニケーションデザインを確立するためのプロトタイプシステムの開発に取り組んだ. まず,親近性を強化する仕組みとして,カウンセリングにおける傾聴的態度を参考に,ミラーリング技法を瞳孔メディアに導入した.具体的には,話し手の発話音声に同調して,聞き手の瞳孔が拡大するロボットシステムを設計開発した.このシステムでは,これまでに開発してきた場の盛り上がり推定モデルを応用展開し,話し手の発話量の推定値に基づいて聞き手ロボットの瞳孔を拡大/縮小を実現している.聞き手の瞳孔が拡大することで,話し手は聞き手の興味が強まっていると感じ,積極的にかかわりを強める.また,推定値が一定で推移している状態に対して,新奇性を表現するハイライト表現を組み込むことで,親近性と親近性を統合したプロトタイプシステムを開発した.瞳孔を用いたミラーリング技法により親近性を増大させながら,ハイライト表現によって新奇性を高めて対話のメリハリが捉えやすくなるなど,かかわりを創出することができる.とくに,本システムにおける親近性と新奇性の表現法を入れ替える,あるいは推定値を変更することで,インタラクションへの矛盾を生起させることができる可能性を見出した.さらに,開発したシステムを研究室内の実験だけでなく,グランフロント大阪 The・Labにてデモ展示を行い,体験者の意見・コメントからシステムの有効性を確認した. さらに,この仕組みをペットロボットへ応用展開した瞳孔反応ペットロボットを開発し,自己開示に着目した評価実験により開発したペットロボットの有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「(1)親近性促進モデルの開発」,「(2)親しみやすい瞳孔反応ペットロボットのコミュニケーションデザイン」の両テーマを統合した新たなペットロボットシステムを開発した.その成果として, 1)聞き手のミラーリング技法に着目した新たな親近性促進表現法を開発した. 2)これまでに開発した場の盛り上がりモデルを応用展開し,推定値に基づく親近性と新奇性を協調設計できるペットロボットシステムを開発した. 3)新奇性と親近性の表現法の入れ替え等を行うことで,インタラクションに矛盾を生起させる設計指針を得た. 4)開発したシステムを研究室内の学内実験だけでなく,グランフロント大阪 The・Labにてデモ展示を行い,多くの来場者からシステムを肯定する多くの意見・コメントを得た. が得られた.これらのことから,おおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として,基本的には当初の申請書通りに進める予定である.とくに,新奇性と親近性を協調させる,あるいは矛盾させることで,親近性を促進させる仕組みを解析する予定である.さらに,これまで開発してきたプロトタイプシステムの評価を行い,様々な実験により瞳孔や視線が親近性を促進する仕組みを検証する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により,発表予定の学会がオンラインとなり学会参加費が減額となったため,当初想定していた使用額を下回った.この差額については,実験評価等に加え,対面形式での学会発表等で開発したシステムの効果を体験できる形で発表を行い,プロトタイプシステムに対する効果的・有効的な評価につなげていく.
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Research Products
(14 results)
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[Book] アカデミアが挑むSDGs2022
Author(s)
前田裕, 芝井敬司, 大津留(北川)智恵子, 良永康平, 西山真司, 吉田信介, 桑名謹三, 池田勝彦, 大洞康嗣, 瀬島吉裕, 福康二郎, 後藤健太, 村川治彦, 安田忠典, 小井川広志, 高橋智幸
Total Pages
282
Publisher
関西大学出版部
ISBN
4873547482
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