2020 Fiscal Year Research-status Report
機械学習による手軽な外耳道の三次元計測と補聴器シェルの心地よさの定量化
Project/Area Number |
19K12892
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
加藤 綾子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (30318159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 直子 (丸山) 埼玉医科大学, 保健医療学部, 助教 (00736259)
若山 俊隆 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (90438862)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光スキャナ / 仮想実験空間 / 3DCG / 機械学習 / 補聴器シェル |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,聴覚障害とうつ病および認知症の関係が指摘され,聴覚障害の早期発見と補聴器によるリハビリの必要性が高まっている.装着感の優れた外耳道挿入型の補聴器は,外耳道の採型で外耳道や鼓膜を損傷するリスクが高い.申請者らが開発してきた外耳道の3次元光スキャナを用いると非接触で外耳道形状を撮像できるが,3次元光スキャナの相対座標を予め計測しなければならないためプロセスが増えるうえ,計測中に動いてはいけないため患者にとって負担が大きい点が課題であった.本研究では,機械学習を用いて3次元光スキャナの相対座標を計測することなく湾曲した外耳道の形状を決定することを目的とする. 相対座標を用いることなく外耳道形状を決定させるための機械学習を検討するうえで,非常に多くの相対座標と光セクショニング画像のセットデータが必要であるが,実計測で取得することは時間がかかりすぎて現実的でない.そこで3次元光スキャナをモデル化して構築し,その3次元光スキャナモデル(以下モデル)を3DCGソフト内で移動させることにより,実計測と同じような画像を得ることができる仮想実験システムを開発した. 開発したモデルのコーンビームの特性は,半値幅は照射面との距離が5~20mmの範囲内で距離が離れるほど広がり0.4~1.4mmとなった.これは実機の約0.25mmに比べて大きいため,光源の幅を狭めて実機と同程度になるよう修正する. また,仮想実験環境内に外耳道のCTスキャンデータを読み込み,モデルを外耳道中で移動させながら光セクショニング画像を撮影した.その画像から外耳道の3次元座標を復元し,実計測と同様に利用できることを確認した. 来年度は,本年度に開発した仮想実験システムで多くのデータを取得し,昨年度に検討したネットワーク等を用いて3次元座標決定アルゴリズムを検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元光スキャナを使用した外耳道の実計測実験の実施が困難な状況となったため,どのように研究を進めたらよいかを再検討し,仮想的な実験環境を構築してデータを集めることを考案した.当初予定していなかった内容が追加されたことになるため,全体としてはやや遅れている.しかし,今年度の成果として仮想実験環境を構築できたことは,今後の研究を進めるうえでプラスに働くと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,本年度に開発した仮想実験システムを用いて多くの相対座標と光セクショニング画像のデータを取得し,3次元座標決定アルゴリズムの検討をすすめる.外耳道のCTデータを集めることがネックになるため,これも仮想実験空間内で外耳道モデルを作成することなどを検討する.
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Causes of Carryover |
研究分担者が産休・育休に入ったため,今年度予定していたものを次年度に購入し,研究を実施することとした.
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