2022 Fiscal Year Annual Research Report
他動型/随意介助型電気刺激装置の併用と合目的的動作による重度片麻痺上肢の改善効果
Project/Area Number |
19K12895
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
南 征吾 群馬パース大学, リハビリテーション学部, 教授 (70739424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福元 喜啓 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30636121)
青木 秀哲 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50298824)
小林 隆司 岡山医療専門職大学, 健康科学部 作業療法学科, 教授 (70337989)
青山 朋樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (90378886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 合目的的電気刺激療法 / 医療福祉工学関連 / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,慢性脳卒中重度片麻痺上肢に対する作業療法のプログラムとして,合目的的活動と神経筋電気刺激装置を組み合わせた合目的的電気刺激療法(purposeful activity-based electrical stimulation therapy: PA-EST)を開発し,その効果を検証することでした. PA-ESTでは,本人の目的にあわせた合目的的活動を聴取し,その活動に重要な初動を評価します.そして,電気刺激療法によってその発動を高め,両手動作につなげ全身運動に変換する経験を積み上げることによって生活適応能力を促進します. このリハビリテーションプログラムは3つのStepで構成され,Step1は筋電気刺激に慣れて上肢機能を高める訓練,Step2は目的動作にあわせて手に筋電気刺激をながし全身運動を高める訓練,Step3は日常生活への適応にあわせて手に筋電気刺激をながす訓練です.この効果をクロスオーバランダム化比較試験で検証し,ストレッチ訓練よりもPA-EST訓練に有意な機能改善を認めました. さらに,この効果を聴性事象関連電位と機能的近赤外分光分析法を用いて検証しました.事例では、聴性事象関連電位ではp300潜時の短縮を認め,認知機能に影響があることが示唆されました.また、機能的近赤外分光分析法ではヘモグロビンの脳動脈動態に変化を認めました.なお、コロナ禍でもあり、在宅支援が主になる研究でしたので家族支援を含めてアンケートを取得し分析を実施いたしました。 今後は、脳機能の状態を確認するために、機能的近赤外分光分析法によるランダム化比較試験による介入研究を実施する予定です。
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