2019 Fiscal Year Research-status Report
Research of Braille Reading Method using Pressure Sensor
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19K12917
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 祥一 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (10369978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 義範 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (00342494)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 点字 / ウェアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
ウェアラブル点字リーダーの動作に必要な処理を統合したソフトウェアの開発に取り組んだ。これまで個別に開発を行ってきた点字の認識・点訳エンジン・音声翻訳エンジンを結合し、適切なユーザーインターフェースを追加して1つのソフトウェアとして動作するようにした。大型で現在は別の基板として接続されている感圧センサからの圧力分布データをUSBメモリなどを経由して手動で読み込ませると、点字の点の配置を推測したうえで点訳エンジンで日本語への翻訳を行い、合成音声を出力するところまで完成することができた。 現在、このソフトウェアはmacOS上で開発を行っているが、将来的な組み込みデバイスへの移植を念頭に、WindowsやLinuxでもほぼ修正不要で動作する移植性の高いものができている。 ウェアラブル点字リーダーソフトウェアの開発と並行して、感圧センサの開発会社と協力し、Windowsでのみ動作していた独自仕様の感圧センサ専用ソフトウェアを部分的にウェアラブル点字リーダーソフトウェアに取り込む作業を始めた。現在、感圧センサの稼働状況と生データを取得するところまではできており、データの取得タイミングやエラー対応など調整したうえで実際の点字を取り込めるように改良を進めていく。取り込む部分のドライバソフトウェアもOSに依存することがないよう作業を進めている。 今年度の成果により、感圧センサをウェアラブル点字リーダーソフトウェアから駆動できるようになり、従来USBメモリなど手動でデータを受け渡ししていた部分をなくすことができるようになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウェアラブル点字リーダーのソフトウェアの基盤はほぼ計画したところまで完成させることができた。具体的には、点字の認識・点訳エンジン・音声合成エンジンを結合してひとつのソフトウェアとして一連の流れ(点字の圧力データを入力する→点の位置を検出する→日本語に翻訳する→音声で発話する)を動作させることができている。これらのソフトウェアは将来的な組み込みデバイスへの移植を踏まえて現時点で完全にクロスプラットフォームなかたちで開発が進んでいる。 感圧センサを駆動するドライバソフトウェアが計画したところまではできておらず、感圧センサからのデータを直接ウェアラブル点字リーダーソフトウェアへ流し込むことまではできていないが、ドライバソフトウェアの開発自体は順調に進んでいる。 感圧センサのハードウェアは既存のWindows用の大型のものをそのまま利用して実験を進めている段階であり、ウェアラブル端末として使うための、ハードウェア的な改良項目の洗い出しには着手したところである。具体的にどの部分をどのように改良していくかは今後検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
ウェアラブル点字リーダーソフトウェアを構成する個別のモジュール(点字の認識・点訳エンジン・音声合成エンジン・ユーザーインターフェース等)は機能強化を控えて現行のまま利用することにする。現在では、USBメモリなどを経由してWindows用の専用ソフトウェアから手動でデータを流し込んでいる状態だが、ここから感圧センサで点字をなぞってデータを流し込み、点の認識と翻訳、音声合成を行って出力するという一連の流れを確立したい。 感圧センサのデータ取り込み部分を完成させ、ウェアラブル点字リーダーソフトウェアと結合し、実際の点字データを取り込んで翻訳を行えるようにする。その後、感圧センサのセンサ素子部分と駆動回路を分離する改造を行い、センサ素子を手で動かしながら点字をなぞり、ウェアラブルデバイスとして仕立てたときの動作検証と必要な改良項目の洗い出しを行っていく。
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Causes of Carryover |
感圧センサの物理的な加工費として90万円を計上していたが、実際の加工作業が発生せず、ソフトウェア仕様の開示とデバイスドライバの開発が主な作業となったため、実際には62万円程度で済んだことによる。初年度の作業でドライバソフトウェアが完成しつつあるため2年度目は実際にセンサの加工作業が生じる見込みであり、2年度目の分と合算してセンサの改良に充当したい。
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