2020 Fiscal Year Research-status Report
Research of Schelling's philosophy and its inheritances and developements in the phenomenology
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19K12921
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小田切 建太郎 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (40802278)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 哲学 / 現象学 / ドイツ観念論 / シェリング / ハイデガー / 事実性 / 自然 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の本研究の研究実績について述べる。本研究は、シェリング哲学と現象学の関係を研究するものであり、かつ応用的に現代の倫理的諸課題にも携わろうとするものである。2020年度も、以下のようなシェリング哲学や現象学、倫理学に関わる研究発表を複数の国内・海外の学会で予定していた。「Eine Erlaeuterung zur intelligiblen Tat」は、カントに発し中期シェリングの『自由論』に継承された「叡智的所行」の変遷を明らかにし、後期シェリング「自然」概念の関係を考察するものだった。別の学会では「叡智的所行」と現象学、特に初期ハイデガーの「事実性」概念との近さと遠さの解明を試みる研究発表を予定していた。別の学会では、「自然」に関わる応用的・倫理的な問題として、「A Philosophy of Hikikomori? Prospects and Perspectives」と題する発表を予定していた。この発表では、「ひきこもり」問題をめぐる従来の医学的視点および社会学的視点の意義と限界を明らかにしつつ、個々の人間(当事者)の実存・事実性と社会とのかかわりに関する哲学的な視点からアプローチの可能性・意義を探る予定であった。また「Kiyoshi Miki and Heidegger: On the Meaning of a Fact」を発表する予定であった。これらの発表は、新型コロナウィルスの世界的流行のなかで、すべて無期延期となった。このため2020年度は、文献資料の収集、資料の読解・分析に専念することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの世界的流行のなかで、学会などが中止や無期延期となり、研究発表の機会の多くを失った。また、家族のなかに重病者、高齢者、看護及び介護従事者がおり、コロナウィルス感染の予防の見地から、研究のための海外・国内の行き来を制限せざるを得ない状況が現在までつづいている。このため、研究の進展および成果の公表に遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで発表できなかった成果を整理・発展させる。それとともに、入手した資料の読解を積み重ねて、新たな研究成果を生み出すべく作業を続行する。また、オンラインで研究成果を発表可能な学会・研究会を探してそこにおいて発表できるようにする。
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