2021 Fiscal Year Research-status Report
Construction of an Anti-Causal and Anti-Naturalistic Theory of Action Based on the Embodied Approach
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19K12927
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
鈴木 雄大 中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (20794928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行為 / 視点 / 無視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究の進捗に関しては、主要な目標であった、本研究プロジェクトに関する英語論文を2本執筆して、そのうち1本を国際ジャーナルに投稿したことにあった(もう1本に関してはまだ校正中)。とはいえまだ掲載には至っておらず、次年度には査読をこの2本を国際ジャーナルに掲載させることが目標である。 以上は研究のアウトプットに関する進捗であったが、実質的な面でも研究の新しい方向への展開が見られた。本研究は行為への身体性アプローチという大きな柱に加え、プロセス論という小さな柱があるが、このプロセス論は前年度に因果性に関する傾向性主義として本研究の内部で理論的な発展を見た。本年度は、この大きな柱と小さな柱をさらに俯瞰するような哲学的アプローチとして、「視点」と「無視点」を対立軸とする研究方法の開発に注力した。これは哲学において既存の分野として確立されているものではなく、新規性の高いものであり、トマス・ネーゲルや野矢茂樹といった少数の哲学者により独自の理論的展開を見ているものである。上記の対立軸から見れば、身体性アプローチや因果の傾向性主義などは「視点」を重視する哲学的立場に属することになり、反対に「無視点」を重視する哲学的立場(心に関する機能主義や、因果に関するヒューム主義など)との相違点をより広い文脈に位置づけることが可能になる。本年度はネーゲルや野矢の著作を検討し、私自身の理論を構築していく中で、それを研究会などで検討してもらうなどした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り、研究の方向が「視点・無視点」という対立軸による哲学的アプローチの開発に新展開することとなったため、当初予定していた行為の身体性アプローチや因果性の傾向性主義そのものに関する研究は遅延することとなった。しかし哲学においてある研究テーマをより広い文脈に置き、それを捉え直すことは、当該の分野に留まり続けるよりも多くの場合より大きな成果をもらたしてくれるものである。明確な成果に至るまでには時間はかかるかもしれないが、本年度の展開はむしろ非常にポシティブに捉えられるものだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の「視点・無視点」という対立軸に基づく新しい研究方法それ自体はまだ萌芽的なものであり、今後の発展が必要なものであるが、次年度は、それへの注力と並行して、本研究プロジェクトの予定通り、因果性の傾向性主義(プロセス論に関わるもの)についての研究を進めることとしたい。感染状況も踏まえつつ、予定していた在外研究もできる限り積極的に行っていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初予定していた海外渡航による在外研究を予定通り行うことができなかったため。
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