2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of an Anti-Causal and Anti-Naturalistic Theory of Action Based on the Embodied Approach
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19K12927
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
鈴木 雄大 中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (20794928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行為 / 身体 / 因果 / 視点 / 無視点 / 空間 / 時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に研究成果として執筆した二本の英語論文に関しては、リジェクトと修正を繰り返し、未だ掲載に至っていないが、投稿を続けている。 また昨年度に新展開のあった、本研究へのより俯瞰的な立場からのアプローチ、すなわち「視点性」と「無視点性」の対立を哲学的対立の基軸に据えるアプローチにおいて、研究が進んだ。本研究の主題は行為、身体、因果などであり、それぞれに対してこの「視点性」と「無視点性」の対立に基づいた見解が存するものの、それらは比較的複雑な主題であるため、まずはより議論の構造が見て取りやすい、空間と時間という主題を取り上げ、それらについて「視点性」と「無視点性」の基礎的な対立構造を取り出すよう努めた。その研究成果は、『思想』2022年8月号(岩波書店)に「空間と時間の哲学:視点論的アプローチから」という題で掲載され、空間と時間に関しては一定の構造を取り出すことができた。そこでは時間に関する「A理論」や時間・空間に関する「関係主義」が「視点性」を重視する立場に、時間に関する「B理論」と時間・空間に関する「実体主義」が「無視点性」を重視する立場に分類された。 また、本年度の後半には空間と時間に加え、可能世界もテーマに含め、より一般的な構造を取り出す論文の執筆に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
いったん行為、身体、因果といったテーマに関する研究の進みは緩やかなものとなり、そもそもの根本構造である「視点性」と「無視点性」の対立構造の研究に深化したため、研究プロジェクトの進みとしては遅くなったが、この後の成果は大きなものが期待できるはずである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、空間や時間以外の他の哲学的主題も扱い、「視点性」と「無視点性」の構造としてより一般的なものを取り出せるよう努める。その後で再び行為、身体、因果などのより複雑な主題に戻ってきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で海外渡航などに支障が出たことと、研究そのものの計画の変更によって、研究に遅れが生じたことにより、次年度の使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)