2023 Fiscal Year Research-status Report
On Applying Moral Theories in Kant. Exception, Collision of Duties, and Discrimination
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19K12929
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 京子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80736900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カント |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は日本哲学会機関誌『哲学』で「人類の道徳的進歩とは何か――カント哲学からの一考察」というタイトルの論文を公表した。この論文は前年度の大会シンポジウムで行った提題にもとづくものであり、道徳的進歩という概念が、目的論的・歴史哲学的な意味において理解されるべきであり、これから起こる出来事の理論的予測とはみなされることはできないということ、むしろ、進歩の可能性を提示することによって義務を果たさなければならないということを確証するという実践的な意義をもつことを明らかにし、また、アクセル・ホネットの「後戻りできない進歩」におけるカント解釈に依拠して、人類の道徳的進歩に「人類にとって何が道徳的理念として実現すべき課題なのかを人類自身が理解すること」がなければならないことを示した。 また、2022年度にはR・モサイェビ編『カントと人権』の翻訳を出版した(監訳・共訳)が、2023年度には同書の監訳者・共訳者とともに、「カントと人権」をテーマとしたワークショップを開催し、そこで「カントと<人権の哲学>の可能性について」という題で発表を行った。その発表ではまず、カント哲学における尊厳や自己自身に対する義務といった思想が人権概念を基礎づけるかどうかを検討した。さらにカントの法哲学のうちに、現代的な基本的人権と類似したものを見いだせるかどうかを、生得的な権利としての自由についてのカントの見解や、国家に先行するものとしての「人権」と国家の一員として保持することの可能な「市民権」との対比を用いながら考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度まではコロナ禍で国内外への出張ができなかったため、使用できなかった。2024年度は国内外への出張(発表あり)を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、国内外での発表および他の研究者との意見交換の場を対面で持つことを予定しており、法哲学や戦争の問題をめぐるこれまでの研究成果を発表することを考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で国内外の出張ができなかったため。今年度は12月のドイツでの研究会への参加を含め、いくつか出張を予定している。
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Research Products
(2 results)