2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K12941
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小城 拓理 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会契約論 / 移民 / 難民 / 国籍 / 成員資格 / 政治的責務論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は日本の現状を踏まえた移民の倫理学を構築することである。この目的を達成するために昨年度は二つの研究に取り組んだ。第一に国家の成員資格に付随する統治への服従義務の正当化、すなわち政治的責務論の研究である。昨年度は公正原理について分析した結果、公正原理単独では政治的責務の導出に困難であり、別の原理で補完する必要があることが明らかになった。本年度はその補完原理として社会契約論の可能性を探求した。その結果、社会契約論は契約の締結という形で個人と国家との特別な関係が説明できるため、公正原理の弱点を克服できることが明らかとなった。第二に取り組んだのが社会契約論、特にロックのそれの解明である。今年度は特に17世紀の反契約論者であるフィルマーの主張との比較を通じて、ロックの社会契約論の可能性を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため研究出張は全て断念せざるを得なかったが、文献調査が進んだため研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍のため研究出張の見通しは立たないが、文献調査を継続していく予定である。今後は特に政治的責務論の他の理論の検討と社会契約論の意義の探求に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究出張が全てなくなったため次年度使用が生じた。2021年度は文献研究に使用しつつ、コロナ禍の終息後は研究出張にあてたいと考えている。
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