2022 Fiscal Year Annual Research Report
流派形成史から見るインド密教における観想法の構造解析
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19K12946
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
松村 幸彦 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (70803071)
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2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | ヘーヴァジュラ / 聖者流 / 究竟次第 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、後期インド密教を代表する聖典の一つである母タントラ系の『ヘーヴァジュラタントラ』系統の観想法文献と、同じく後期密教を代表する父タントラ系の『秘密集会タントラ』を奉ずる流派の一つである聖者流に属する文献の内容をそれぞれ解析し、比較することによって聖者流の説く観想法との影響関係などを明らかにし、インド密教の長い歴史の中でヘーヴァジュラ系観想法が独自に遂げた内容の発展についても明らかにすることを目的の一つとしている。用いる文献は観想法の中でも生起次第と究竟次第という二次第の内、究竟次第に相当するものを中心とする。
昨年度までにシャーキャミトラ著『アヌッタラサンディ』のシノプシスを作成するとともにその訳注作成作業に従事していた。今年度は、それを踏まえた上でヘーヴァジュラ系の観想法である『ヴァジュラプラディーパ―』や『ヘーヴァジュラプラカーシャ』の究竟次第に相当する内容の解析を行うと共に、前年度までの成果の一つである聖者流の究竟次第的内容との比較・解析の作業を行い、ヘーヴァジュラ系の独自な内容や共通する内容などに関して明らかにした。そしてその作業の中で観想法を行うヨーガ行者にも着目し、彼らの行者としての資質などについても明らかにした。
今までは、後期密教に配される聖典に関係する究竟次第の研究は、それぞれの聖典やそれに属する流派個別に行われることが多かった。そこで本研究で行った作業により、流派を横断しながらその観想法の構造を解析し、それらの共通点や相異点を明らかにしつつ、その影響関係について考察することによって、インド密教の観想法の構造に関して新たな知見の一つを提供するという意義を本研究は有していると考える。
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Research Products
(2 results)
