2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K12953
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| Research Institution | Okayama University of Science |
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Principal Investigator |
堀田 和義 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (90548687)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | シュラーヴァカ・アーチャーラ文献 / 不殺生戒 / ジャイナ教在家信者 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は，予定通り，不殺生に関するジャイナ教の見解とインドの他宗教，とりわけヒンドゥー教や仏教文献に見られる不殺生戒との比較に着手した．
具体的には，ヒンドゥー教の法経（ダルマ・スートラ）に見られる不殺生思想，および初期仏典に見られる不殺生思想との比較を行い，インドの土着宗教に共通の要素を明らかにすると同時に，ジャイナ教の独自性を浮き彫りにする作業を行った．この成果の一部は，次年度以降に，『ガウタマ・ダルマ・スートラ』の訳注研究として発表する予定である．
また，インドの宗教間での比較だけではなく，近年盛んになっている動物倫理学の成果も取り入れながら，死生学・応用倫理学的な視点からも考察した．
他にも，前年度に行った研究内容を発表すると同時に，不殺生思想の背後にあると考えられるジャイナ教の多面主義的な真理観を表明した学説誌に関する学会発表，不殺生に関するジャイナ教思想とインドの性愛学との関連を比較・分析する土台となる，Ratisastraの解読・翻訳研究を行った．
2021年度の経過報告としては，以下のような学会発表，および論文の投稿を行った．「ジャイナ教在家信者の不殺生戒―不殺生の定義的説明を中心に―」（日本印度学仏教学会第72回学術大会），「ジャイナ教の哲学誌について―メールトゥンガ著『六哲学の確定』を中心に―」（第36回ジャイナ教研究会）※以上，学会発表，「ジャイナ教在家信者の不殺生戒―不殺生の定義的説明を中心に―」（『印度学仏教学研究』第70巻第1号），「性愛をめぐるシヴァとパールヴァティーの対話―Ratisastra和訳（1）―」（『仏教学セミナー』第114号）※以上，論文．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に予定していた，不殺生に関するジャイナ教の見解とインドの他宗教文献に見られる不殺生戒との比較作業は，すでに着手しており，一定程度，進展しているため，その成果は2022年度に論文として投稿する予定である．
作業によっては，新型コロナウィルスの影響による，他大学図書館での調査ができないことや，各種研究会の自粛・取りやめ等により，一部遅れているが，昨年度の作業の経過報告も含めて，学会発表を2回行い，学術論文を2本投稿したことにより，一定の成果を上げることができた．
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| Strategy for Future Research Activity |
2022年度は，2021年度に引き続き，不殺生に関するジャイナ教の見解とインドの他宗教文献に見られる不殺生戒との比較作業を推進する．
さらには，その成果を各種学会で積極的に発表し，学会誌や大学の紀要などへも積極的に論文を投稿する予定である．
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| Causes of Carryover |
前年に引き続き、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う，各種研究会の自粛・取りやめや，国内外における図書館での資料調査ができないなどの事情により，旅費を中心とした助成金の執行ができなかったため，次年度使用額が生じることとなった．
ただし，研究会の開催や図書館への外部の者の入館など，一部緩和のきざしも見られるため，これまでに行うことのできなかった研究会・調査を積極的に行うと同時に，2021年度と同様，テキスト入力作業の人件費としての執行を予定している．
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Research Products
(4 results)
