2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K12953
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
堀田 和義 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (90548687)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジャイナ教 / 不殺生 / 在家信者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,昨年度に引き続き,不殺生に関するジャイナ教の見解をヒンドゥー教や仏教の不殺生戒と比較する作業を行った. 具体的には,昨年度と同様,ヒンドゥー教の法経(ダルマ・スートラ)に見られる不殺生思想との比較を行い,仏教に関しては,ネパールの仏教徒の手になる文献『ナーガラ・サルヴァスヴァ』の思想などの読解も進めた.その他にも,ヒンドゥー教の建築論書や性愛学文献,プラーナ文献,説話文献,ジャイナ教の学説誌,聖者伝,認識論書,俗語文法学の文献などにも範囲を広げて,多角的に比較を行った.これによって,インドの土着宗教に共通の要素を明らかにすると同時に,ジャイナ教の独自性を浮き彫りにすることができた.これらの成果の一部は,次年度以降に訳注研究として発表を予定している. 2023年度の経過報告としては,以下のような論文の投稿を行った. 「『マヤマタ』第13・14章:和訳と註解―インド古典建築論書の構成と内容(8)―」(共著,『中央学術研究所紀要』52号),「論理を照らし出す灯火―Nyayadipika和訳(1)―」(共著,『ジャイナ教研究』29号),「性愛をめぐるシヴァとパールヴァティーの対話―Ratisastra和訳(2)―」(『仏教学セミナー』117号).
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