2020 Fiscal Year Research-status Report
Social Movements and Religion in Hong Kong: The Rise of Nationalism and the Role of Religion
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19K12956
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伍 嘉誠 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナショナリズム / 香港 / デモ / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
香港におけるナショナリズムの現状をより広い視野から考察するため、以前から継続している反政府抗議活動と新型コロナウイルス下の香港社会、および宗教団体の動きについてオンライン調査を通して、多様な視点や事例から検討した。 具体的には、①新型コロナウイルスの宗教団体への影響や、宗教団体による支援活動などについて考察した。②「逃亡犯条例改正問題」をめぐる反対運動が激化した「香港ナショナリズム」のキリスト教への影響について、香港にあるS教会を事例にして考察を行った。③なお、国家安全法下の香港における宗教と信仰の自由に関して、宗教者の意見やメディア報道を初歩的な整理を試みた。 研究成果を以下複数の論文・著書の形でまとめた(発表済みと投稿中のものを含む)。「香港における抗議活動と新型コロナウイルスへの一考察―「マスク」と「集会」をめぐる議論を中心に―」、「香港における新型コロナについての一考察―市民社会の力」、「香港におけるコロナと宗教」、「新型コロナウイルスとナショナリズムへの試論―香港を事例に」、「The Technology of Religion and Modern Localism in Hong Kong: Christianity in the Umbrella Movement and After」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で現地調査ができない中で、文献調査やオンラインによるインタビュー調査などの方法を重視したことにより、一定の研究成果を出せたが、現地でしか収集できない生データもあるため、その分は今後現地調査を通して補足したい。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン調査も継続しながら、現地調査が可能になった場合、香港に赴き、運動参加者の生の声や、教会による活動の情報を集めたいと考える。また、意見交流や研究発表を継続するため、複数のオンライン学会や研究会に参加予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの収束が予想外に時間がかかり、予定した香港での現地調査や国内の学会への参加も見送りとなった。あまった旅費を次年度に、海外出張が可能になった場合、香港での調査を実施することを計画している。海外に行くことが困難な場合、オンライン調査を中心に研究を遂行し、ウェブ調査に必要な経費として利用する予定である。
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