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2020 Fiscal Year Research-status Report

古代世界の共同体意識―シリアのユダヤ‐キリスト教関係を中心に―

Research Project

Project/Area Number 19K12961
Research InstitutionChukyo University

Principal Investigator

大澤 耕史  中京大学, 教養教育研究院, 助教 (40730891)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsユダヤ教 / キリスト教 / シリア / 聖書解釈 / アイデンティティー
Outline of Annual Research Achievements

申請時の研究計画通りに、2020年度は先行研究の調査と古代世界のユダヤ教文献における異教徒の描かれ方についての調査を進めるとともに、シリア教父アフラハト(3世紀半ば~345年以降)の著作の分析を進めていった。まずは先行研究に基づき彼の人物像や生涯、著作や思想についての分析を進め、シリア教父のみならずキリスト教界全体におけるその位置づけを確認した。その結果、彼の著作はシリア教父の分析の立脚点にするのにふさわしく、また古代末期のキリスト教全体を考える際に、いわゆる西方の影響をまだ受けていない純粋に「シリア」の特性を保持しているということが確認された。これに伴い、このアフラハトに続いてエフライム(306~373)やその他のシリア教父の著作の分析を進めるための理論的な道筋が示された。
また、アイデンティティーに関する先行研究の調査により、対峙する相手によってアイデンティティー・マーカーが変化する可能性があるという知見を得ることができた。これはすなわち、ユダヤ人が自らのアイデンティティーを主張する際に、キリスト教徒に対する時とその他の「異教徒」に対する時でその戦略が異なるということである。これにより、ユダヤ人に限らずある集団が自分たちのアイデンティティーを述べていると考えられる際には、その記述が誰に向けられているものなのかを十分に吟味する必要があることが明らかとなった。これにより、各共同体の性質をより多層的・多面的に分析することが可能となったものと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍による各種学会研究会の中止や在宅勤務の長期化により生産性の低下が著しく低下した。この状況はしばらく続くと想定されるため、作業の一部省略や簡易化により対応する予定である。

Strategy for Future Research Activity

上記の遅れを考慮して作業全体を見直しつつ、研究計画通りに進めていく。いずれにしても分析対象は膨大な数にのぼるため、研究が進むにつれてこれまでの遅れの割合は相対的に低くなることが予想される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「ヨセフは誰に売られたか?」をタルグムから考える2020

    • Author(s)
      大澤耕史
    • Journal Title

      京都ユダヤ思想

      Volume: 11 Pages: 140-152

URL: 

Published: 2021-12-27  

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