2019 Fiscal Year Research-status Report
The Philosophy of Depiction Meets Picture Using Practices in Popular Culture
Project/Area Number |
19K12985
|
Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
松永 伸司 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (60778520)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 分析美学 / キャラクター表象 / インターネットミーム / 視覚的隠喩 |
Outline of Annual Research Achievements |
描写の哲学を専門とする研究者3名(銭清弘、難波優輝、村山正碩の各氏)を招待して、「2019年度 描写の哲学研究会」と題した公開の研究会を開催した。概要は次のリンク先の通り。https://dpct.tumblr.com/2019 各々の発表内容は大まかに、現代のインターネットカルチャーにおける画像の使われ方についての分類と分析(銭氏)、倫理的に問題があるとされるキャラクター画像の「悪さ」の所在と理由の整理(難波氏)、画像の内容の複層性に関する新しい視点からの分析(村山)だった。いずれの発表も、描写の哲学の知見を具体的な現象や作品に適用する応用的な議論であり、描写の哲学の説明枠組としての射程と意義を明らかにしている。同時に、それらの議論は、描写の哲学が今後説明していくべき(少なくともそれを説明するための概念を用意すべき)事柄を示すという面も持っている。この意味で、この研究会は〈描写の哲学の観点から現代文化の諸相を説明するとともに、その作業を通じて描写の哲学のアップデートを図る〉という本研究課題の目的に十分に適った内容だったと言える。 一般公開だったこともあり、研究会には数十名の参加者が参加し、活発な質疑応答と議論が行われた。 研究会のレポートは学術誌『フィルカル』5巻1号(2020年)に、研究会の発表内容をベースにした「描写の哲学」特集は同じく5巻2号(2020年)にそれぞれ掲載予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度中の成果は研究会の開催のみだが、そのレポートおよびそれにもとづいた論文が2020年度に発表予定であり、当初の予定をおおむね順調に進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度の「描写の哲学研究会」は、発表者による発表だけでなく、参加者からの質疑応答・議論の点でも非常に有意義なものであった。参加者の数も多く、研究会を公開で開催することの利点が活きたかたちになった。この結果を踏まえて、今後も公開の研究会を継続して開催する予定である。
|
Causes of Carryover |
プリンターを購入予定だったが、当年度の残額で足りなくなったため。次年度の予算と合算して購入する。
|
Research Products
(3 results)