2020 Fiscal Year Research-status Report
西洋哲学における「崇高」概念の変遷:古代から現代までの総合的調査
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19K12991
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星野 太 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 専任講師 (80646208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 崇高 / カント / リオタール / マラブー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、おもにカントの三批判書(『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』)における「崇高」概念と、20世紀におけるその受容について集中的な調査を行なった。とりわけ、ジャン=フランソワ・リオタール『〈崇高の分析論〉についての講義録』(1991)とカトリーヌ・マラブー『真ん中の部屋』(2009)という二冊の書物を対象とし、20世紀後半のフランスにおけるカント受容について、大きく認識を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により、当初予定していた海外での文献調査や、国際学会での発表はすべて中止せざるをえなかった。そのため、今年度に予定していた研究計画はすべて変更を余儀なくされた。他方、現下の状況に鑑みて、今年度はおもにこれまでの研究成果を発表する方針に切り替えた。結果、概要に記した二冊の翻訳書を上梓するなど、終わってみればそれなりに大きな成果を出すことができたと考えられる。以上のことから総合的に判断すると、全体としてはおおむね順調に進展していると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の影響により、物理的な移動をともなう海外での調査・発表は、次年度も大幅に縮小せざるをえない。他方、国際会議や海外の研究者との打ち合わせを可能なかぎりオンラインで代替することにより、そうした影響を最小限にとどめる方法を模索している。また、引き続き国外における新規の調査が困難な状況に鑑みて、次年度も主に著書や論文を通した研究成果の公表に注力する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により、参加を予定していた国際学会がキャンセルになった。そのため、当初予定していた旅費に大幅な変更が生じ、次年度使用額が生じた。次年度も引き続き海外出張には困難が予想されることから、この予算は次年度の研究に必要な人件費・謝金に充てる予定である。
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