2022 Fiscal Year Annual Research Report
西洋哲学における「崇高」概念の変遷:古代から現代までの総合的調査
Project/Area Number |
19K12991
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 太 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80646208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 崇高 / 美学 / 現代美術 / ロンギノス / ボワロー / バーク / カント / リオタール |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、最終年度ということもあり、本研究課題を総括する著書・論文の刊行に注力した。とりわけ単著『崇高のリミナリティ』(フィルムアート社、2022年)の刊行により、申請者が長年取り組んできた「崇高」の研究を一冊にまとめることができたのは、大きな成果であったと言える。同書は序論・対談・ブックガイドからなり、初学者から専門家まで、「崇高」に関心を寄せる読者にとって益するする内容になることをめざした。 これに加え、『食客論』(講談社、2023年)、「オラリティの感性論」(『現代思想』2023年1月号)といった業績を通じて、本研究課題の遂行を通じて得られた成果を、今後のさらなる研究テーマにつなげるための見通しを得ることができた。これも、今年度における大きな成果であった。 他方、今年度も過去数年に続く新型コロナウィルスの影響により、国際学会への参加は大きく制約された。そのため、本年度の主な成果は図書(2冊)、論文(1本)、国内学会における発表(1件)のみとなった。 本研究課題全体の総括としては、著書3冊、訳書2冊、論文3本をはじめ、「崇高」概念をめぐる研究成果をひろく公表するという当初の目的は、ある程度達成されたと考えられる。その一方、新型コロナウィルスの流行時期が研究期間(4年間)のうち3年間にまたがったため、当初予定していた国際的なネットワークの構築・確立は、ほとんど行なうことができなかった。これについては今後のさらなる課題としたい。
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[Book] 食客論2023
Author(s)
星野太
Total Pages
272
Publisher
講談社
ISBN
9784065305454
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