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2023 Fiscal Year Annual Research Report

1990年代から2000年代のロンドンにおける具象絵画に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K13019
Research InstitutionThe National Museum of Modern Art, Tokyo

Principal Investigator

桝田 倫広  独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (70600881)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords現代美術 / 絵画 / 美術批評
Outline of Annual Research Achievements

昨年度来の課題として、90年代以降のイギリスにおける非白人作家の多様な表現と、90年代以降の絵画動向に大きな影響を与えたドイツ人作家マルティン・キッペンベルガーの活動を挙げ、双方のテーマについて研究を行ってきた。一方で欧米圏の作家による日本への影響についても調べを進めてきた。今年度の成果としては、主に日本に関連するものが挙げられる。
1990年代半ば以降、欧米と同様に日本でも具象絵画を描く作家たちが注目を集めてきた。たとえば『美術手帖』(1995年7月号)では、「快楽絵画」という特集名のもと、欧米圏の具象絵画が紹介されるとともに、奈良美智の作品が表紙を飾るように、同様の傾向を示す多くの日本人作家についても取り上げられた。当時、絵画に限らず個人の物語性、日常性を重視する傾向が見られ、そうした状況に着目する展覧会として「TOKYO POP」展(平塚市美術館、1996年)、「ひそやかなラディカリズム」展(東京都現代美術館、1999年)などが挙げられるが、なかでも批評家松井みどりが企画した「マイクロポップの時代:夏への扉」展(水戸芸術館、2007年)は、その傾向に理論的骨格を与えた。松井はドゥルーズ/ガタリによる「マイナー文学」の定義に触発され、マイクロポップという概念を提起した。実はほぼ同時期に欧米の絵画の傾向を論じるにあたってラファエル・ルビンシュタインが同様に「マイナー文学」を援用し「仮設的な絵画」というエッセイを書いている。こうした観点からルビンシュタインの「仮設的絵画」と松井のマイクロポップとの比較を念頭に3つの論考を書いた。ひとつは両者の論考を比較したもの、ひとつはマイクロポップ展に参加した落合多武の絵画に関するもの、そしてもうひとつはマイクロポップには含まれていないが、形式的にルビンシュタインの「仮設的絵画」と比較しうる三瀬夏之介の作品に関するものである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] 三瀬夏之介作品の形式について―絵画のモダン、ポストモダンのあとで22024

    • Author(s)
      桝田倫広
    • Journal Title

      コメット通信

      Volume: no. 42 Pages: -

  • [Journal Article] 落合多武の近年の絵画作品について―絵画のモダン、ポストモダンのあとで32024

    • Author(s)
      桝田倫広
    • Journal Title

      コメット通信

      Volume: no. 45 Pages: -

  • [Journal Article] 初期作品における「様式の折衷」を可能にする条件とは?2023

    • Author(s)
      桝田倫広
    • Journal Title

      美術手帖

      Volume: vol. 75 no. 1099 Pages: 32-35

  • [Journal Article] 仮設的(または暫定的)な絵画(Provisional Painting)と、マイクロポップ、そしてアノーマリー―絵画のモダン、ポストモダンのあとで12023

    • Author(s)
      桝田倫広
    • Journal Title

      コメット通信

      Volume: no. 39 Pages: -

URL: 

Published: 2024-12-25  

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