2022 Fiscal Year Annual Research Report
The philosophies, contents and characteristics of theatre for young audiences in Japan between 2000 and 2018
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19K13038
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Research Institution | Professional College of Arts and Tourism |
Principal Investigator |
飛田 勘文 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 助教 (60800901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童演劇 / 平和構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、21世紀の児童演劇の専門劇団と現代演劇の劇団が創作する児童演劇の内容や創作方法を調査し、両者の間にある差異や隔たりを解明することを目的とする。 2022年度は、児童演劇の専門劇団と現代演劇の劇団が制作する児童演劇の作品に関する調査を継続しつつ、特に児童演劇の俳優の専門性に関する研究を行なった。児童演劇の専門家や演出家にインタビューを行い、同時にシンポジウムを開催した。例えば、劇団風の子は自分の劇団の俳優たちを幼稚園に送り、しばらく一緒に生活させ、子どもたちのことばや表現、考え方について学んだというが、児童演劇の俳優の演技に求められる技術の一つは、子どもたちが使用することばや表現、考え方を土台にしながら、演技を組み立てていくことにあることがわかった。また、アメリカや韓国では、児童演劇の演技などを専門的に学ぶことのできる大学があるが、日本の大学には児童演劇について学ぶことのできる大学がほぼ皆無であることが問題視された。 また、ウクライナ侵略の問題を踏まえ、「児童演劇と平和構築」をテーマとする調査も行なった。現代演劇や児童演劇の演出家や劇作家にインタビューを行い、同時にシンポジウムを開催した。従来、平和をテーマとする演劇作品は戦争の現実や悲惨を描くものが主流だったが、近年は、戦争の悲惨を描くことも重要だが、実際に平和を創造していく力を養っていく必要があるという見解から、演劇ワークショップなどを通じて、平和について考える機会が増えていることが判明した。また、以前から行われていることではあるが、国際演劇祭などを通して、様々な国の人々が一緒に演劇をつくったり、観たり、考えたりすることが、結果として平和構築につながることが改めて確認された。
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Research Products
(2 results)