2019 Fiscal Year Research-status Report
グローバル状況下における米国映画製作の政治経済分析:製作工程の海外委託を中心に
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19K13041
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河原 大輔 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 助教 (20724024)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アメリカ映画 / 映画産業 / 映画製作 / ハリウッド映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ランナウェイ・プロダクションと呼ばれるハリウッド映画の製作工程の海外委託に関する調査を元に、大きく分けて、(1)言説資料の収集・分析と(2)ランナウェイ・プロダクションの事業計画、収益構造、海外自治体の製作誘致戦略、米国内映画産業の雇用環境等への影響を分析することを中心に研究を行った。(1)の言説資料に関しては、オンライン・データベース上での収集に加え、関連文献の購入を年度を通じて行った。2020年2月にアメリカ合衆国ロサンゼルス市での資料調査を予定していたが、コロナ禍の影響で延期せざるを得なかった。延期に伴い、海外旅費に充てていた予算計画を見直す必要が発生した。予定されていた資料調査では、興行者団体の年鑑や業界誌の記事、調査会社による興行データを収集する予定であったが、コロナウイルスが収束し、海外渡航が再開されれば、再度計画をし、実施する予定である。(2)については、海外資料調査が実施できず、収集資料の数に限度があったが、大学所蔵の産業インテリジェンス雑誌の記事については、分類を行った上でデータベースの構築を進めた。収集した資料と文献の精読を通じて、アメリカ映画産業における経済的ランナウェイプロダクションの製作本数やシェアの推移、米国内のローカル映画産業への影響、委託先における税制優遇制度等に関する基礎情報を確認した。それらを基に、アメリカ合衆国における映画産業従事者の利害衝突や委託先におけるローカル文化の正統性に関する論争等の主要な論点を整理することができた。今後は引き続き言説資料の収集を行い、分類を行った上でデータベースの構築を整理し、次年度に主要な考察対象とするべき製作委託都市の候補を選定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響で予定していた海外資料調査、資料収集が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響による移動の制限が今後どうなるのかについては状況が不透明で判断することができないが、海外への渡航制限が解除されれば、海外調査を改めて計画し、実施する予定である。基礎文献の収集、精読は一定程度進めることができたが、今後は、製作委託地のローカル新聞などに重点を移し、ランナウェイプロダクションに関する記事等の言説資料を収集し、論争を整理したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、予定していた海外資料調査を実施できなかったため。コロナウイルスの収束状況が不確定ではあるものの、海外渡航が解禁された場合は、次年度使用額を海外アーカイブでの資料調査のための旅費に充てる予定である。また、一部は研究課題関連書籍の購入やデータベース資料の印刷費用に使用する予定である。
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