2021 Fiscal Year Research-status Report
グローバル状況下における米国映画製作の政治経済分析:製作工程の海外委託を中心に
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19K13041
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河原 大輔 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 助教 (20724024)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメリカ映画 / 映画産業 / ハリウッド映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も引き続きコロナ禍が収束せず、実施を予定していたアメリカ合衆国での資料調査を再再延期せざるを得なかった。次年度中に海外渡航が再開された場合は実施を再度計画したいと考えているが、渡航可能時期については見通しがつかない状況である。再再延期に伴い、海外旅費に充てていた予算計画を見直す必要が発生した。一昨年度、昨年度に引き続き、ランナウェイ・プロダクションと呼ばれるハリウッド映画の製作工程の海外委託に関する調査を元に、大きく分けて、(1)言説資料の収集・分析と(2)ランナウェイ・プロダクションの事業計画、収益構造、海外自治体の製作誘致戦略、米国内映画産業の雇用環境等への影響を分析することを中心に研究を行った。(1)の言説資料に関しては、オンライン・データベース上での収集に加え、関連文献の購入を年度を通じて行った。(2)については、海外渡航による調査の代替として、昨年度にメディア産業に関するインテリジェンス雑誌の定期購読を開始したが、本年度も継続することを決定した。また、所属先図書館所蔵のメディア産業に関する雑誌資料から収集した記事の分類についても継続して実施している。今後は、研究期間の終了時期を見越してデータベースの構築を進める予定である。コロナ禍の中、一定程度の資料を収集することができたことは成果であるが、海外調査ができないことによる影響は甚大であった。とりわけ研究課題の申請段階から海外旅費を中心に予算計画を立てていたため、予算の執行計画の修正は困難を極めた。今後は、これまでに確認したアメリカ映画産業における経済的ランナウェイプロダクションの製作本数やシェアの推移、米国内のローカル映画産業への影響、委託先における税制優遇制度等に関する情報をさらに充実させることができた。今後は引き続き言説資料と論点整理を行い、本課題の成果を研究論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によって本年度も引き続き海外調査が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外への渡航制限が解除されれば、海外調査を改めて計画し、実施したいと考えている。昨年度より開始した産業インテリジェンス雑誌の定期購読によって、言説資料の収集については改善が見られた。定期購読費用の問題はあるが、海外調査の不足を一定程度補うことができる手段となっているため、今後も活用を検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、引き続き予定していた海外資料調査を実施できなかったため。海外渡航が解禁された場合は、次年度使用額を海外アーカイブでの資料調査のための旅費に充てる予定である。また、渡航が困難な場合は、2020、2021年度と同様に、一部はオンライン雑誌の購読費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)