2020 Fiscal Year Research-status Report
Religion and Science: With a Focus on Atomic Bomb History and Postwar Nagasaki
Project/Area Number |
19K13043
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 麻伊香 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10749724)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 原爆 / 慰霊 / 宗教 / 献体 / 遺体 / 解剖 / ABCC / 長崎大学医学部 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下のように研究を進めた。 ・原爆を体験された方々や、さまざまに戦後長崎で活動されてきた方々への聞き取り調査を行った。この聞き取り調査は「長崎原爆の戦後史を残す会」の活動とも連動して行った。 ・宗教に関しては、キリスト教と原爆の関わりを中心に検討した昨年度に対し、今年度は仏教や神道との関わりを中心に検討した。晧台寺、興福寺、聖徳寺、日本山妙法寺、東本願寺、福済寺、諏訪神社、西山神社など、いくつもの宗教施設を訪問し、それぞれのお寺や神社における原爆との関わりについて、聞き取り調査と資料調査を行った。また、2021年3月に開催された宗教者懇話会に参加し、宗教者懇話会や長崎の宗教についての知見を深めた。 ・資料調査としては、主に昭和20年代の長崎の刊行物や、『長崎新聞』『長崎日日新聞』『長崎民友新聞』のバックナンバーから、当時の世相について調査した。原爆傷害調査委員会(ABCC)と長崎大学が行っていた被爆者調査についても、引き続き資料調査を行った。ABCCの被爆者調査について論文にまとめ、若尾祐司・木戸衛一編『核と放射線の現代史ーー開発・被ばく・抵抗』(昭和堂、2021年)に所収された。 ・慰霊碑や墓地の歴史についても調査を進めた。長崎における慰霊について、これまでの調査で得られた内容をまとめ、東工大で開催されている科学史ゼミ、長崎原爆史研究会で報告し、今後の研究を進める上で有意義なコメントをいただいた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、聞き取り調査、フィールド調査、資料調査を並行して行うことができ、本研究課題についての考察を深めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの調査資料を精査しつつ、現在居住している広島における長崎に関する資料の調査を行う。新型コロナウィルス感染拡大の状況を鑑みながら、長崎での調査を行う。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により、旅費の使用ができなかったため。次年度に実施予定の資料調査やフィールド調査費用に使用予定である。
|