2021 Fiscal Year Research-status Report
Cross-Disciplinary Study on the Exchange and Conflict of Japanese Artists Born in the 1930s
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19K13048
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
堀江 秀史 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10827504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本文学 / 近現代日本文化 / 写真 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、本研究課題を基にした次なる著作に向けて、主に書籍購入による資料収集に専念した。また、所属先の変更に伴い、研究環境を整えることにも意を注いだ。感染症予防の観点から、大幅に出張頻度を低めた。 以上に伴い、実績としては下記の通り前年度刊行著作の普及を目指した紹介を行なうにとどまった。 1,堀江秀史「自著紹介 寺山修司の一九六〇年代 不可分の精神」UTokyo Bibliopraza「東京大学学術成果刊行助成(東京大学而立賞)に採択された著作を著者自らが語る広場」https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/A_00174.html (2021年4月2日) 2,堀江秀史「著書を語る589 人文系研究書の生まれるまで(『寺山修司の写真』)」『書標 ほんのしるべ』第510号、丸善ジュンク堂書店、2021年6月 1は主に大学生に向けて、自分の本がどのような経緯で、どのような思いで書かれ、それを振り返ってどう思うかのエッセイである。2は一般に向けて、人文学における博士論文とはどのように書かれ、それが著作になるにはどのような経緯を経るのかを解説したものである。 両者は、単に特定の著作の紹介という意味だけではなく、それを通じて人文学がどのように営まれているか、社会的な理解を進めるという意図も込めた。学問と社会との繋がりを強化する役割を果たすものと考える。2022年度においても、こうした意識を持って研究を進めていく。※なお、分担研究者として並行して進めている共同研究でも本研究と同じ寺山修司を扱っているが、そこでの成果(国際学会での発表と映像によるアーカイブ)は共同研究課題における報告に記載があるので、こちらでは触れない(課題研究番号20K00301)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延防止対策として、青森県にある資料所蔵元への出張を可能な限り抑えたことと、所属先の変更による研究環境の変化とそれへの対応に時間を割いたことで、研究そのものを直接的に進めることは出来なかった。但し、後者の理由は研究の基礎となる環境を整えるという意味では研究の前進でもあった。目に見える成果物が少なかった点から、「やや遅れている」と自省する。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には環境を整え、出張以外の資料収集(書籍購入)を進めた。本課題延長に伴い最終年度となる22年度には、前年度までに刊行した著作のような専門に近い内容ではなく、研究成果である専門知を一般に向けて還元できるような著作の執筆を進める。 具体的な課題は、前著までで扱ってこなかった演劇ジャンルや、大衆文化批評におけるより狭い分野(スポーツ、賭け事)への考察を深めることである。 また、これまでの研究を深化させる意味で、実験映像論、シナリオ論、模倣論などに関する論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延防止の要請に従い、国内の出張回数を減らしたことと、海外への出張を中止したことで、当初予算計画に変更を加えざるを得なかった。その分他所へ赴かずできる内容(書籍購入や環境整備)に切り替えて研究を進めたが、それでも予算に余りが生じた。次年度繰り越し分では、資料調査のための出張と資料収集を行なう。
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Research Products
(2 results)