2019 Fiscal Year Research-status Report
『四六文章図』研究ー日本中世から近世における駢体の「読み書き」をめぐってー
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19K13090
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
上原 尉暢 大谷大学, 文学部, 研究員 (50292181)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 四六文章図 / 駢文 / 文章指南書 / 文章作法書 / 五山文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は当初の計画通り、『四六文章図』訳注作業をすすめ、序文及び巻一 総説部分までの訳注をほぼ完成させた。 他の文章指南書・作法書の調査として、大谷大学所蔵の関連資料やオンラインを活用し、日本の中世から近世の漢詩文の文章指南書・作法書のデータベース作成を行った。また大谷大学も含めて、他に京都大学・関西学院大学・龍谷大学などの図書館を利用し、『四六文章図』に関わる他の文章指南書・作法書の実態調査を行った。 また2019年5月26日・27日に秋田で開催された東北中国学会に参加し、東洋史・中国哲学・中国文学・日本漢文学を専門とする研究者と交流を持ち、本研究に資する多くの知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『四六文章図』訳注作業は、序文及び巻一 総説部分までの訳注をほぼ完成しており、成果発表のための現在最終調整の段階である。 他の文章指南書・作法書の調査は、その概要をつかむためのデータベース作業が進展しており、各書の実態調査も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の計画通り、『四六文章図』の訳注作業を2019年度から継続して行う。2020年度は巻二「儒家四六并文之類」及び巻三「格體惣論・短文法并長文」までの訳注を完成させる予定である。この成果を2019年度の完成分と併せて学術雑誌に発表することを計画している。 さらに日本の文章指南書・作法書のデータベース化とその実態調査を、2019年度に引き続き行う。加えて中国の文章指南書・作法書について調査する予定である。ただし、その実態調査については中国・台湾の国家図書館などを調査する計画を当初立てていたが、新型コロナウィルスの影響で、国外への渡航が困難であることが予想されるため、本年度中に渡航できない場合は、大谷大学を始めとして、日本の研究機関に所蔵される各種図書目録やウェブ上の検索を用いた調査を行うこととする。
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Causes of Carryover |
主として物品費として計上していた部分が、消費税の値上げなどとも重なった結果、予定経費との間にずれが生じてしまった。そのため、若干であるが実支出額が当初の予定を下回る結果となった。 2020年度も引き続き、関連研究書等の物品費を計画しており、2019年度の残金分は、その一部に充てたい。
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