2019 Fiscal Year Research-status Report
中世後期イングランドにおける地方での聖人崇敬に関する写本研究
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19K13104
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菅野 磨美 金沢大学, 外国語教育系, 助教 (20805329)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中世英文学 / 中世研究 / 聖人伝 / 中世写本 / 聖人崇敬 / 中英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる2019年度は、イングランドにおける各地域での聖人崇敬の全体像を把握(課題1)し、詳細な分析の対象とする写本を選定(課題2)したのち、渡英し写本の調査と校訂テクストを作成する(課題3)ことを予定していた。しかし、長期休暇中に渡英が出来なかったため、今年度は主に国内で課題1と課題2に取り組んだ。 計画にしたがい、まず、中世イングランドの地方史に関する二次資料を用いて、特有の聖人崇敬が見られる地域を特定した。その後、ノルマン・コンクエスト前後の教会暦と連祷のカタログを参照し、ローカルな聖人の名前を収めた典礼写本を選定した。課題1と2の結果、予備調査時より着目していた、WorcesterとGlanstonburyを、自国の聖人を収めた聖人伝写本が多く作成された地域、または聖遺物崇敬が盛んだった地域として、調査を進めた。関連のある写本をリストし、カタログ等で写本の基本情報をおさえ、また予備調査時に収集した画像データの整理をした。同時に、二次資料を用いて、二つの地域の歴史的背景を調査した。これらの準備をもとに、来年度以降、大英図書館を中心に、イギリスの図書館に所蔵されている該当写本の調査を行う予定である。 研究の成果としては、数年前から取り組んでいた、イギリスの聖女を多く収めた15世紀の中英語写本の編纂に関する論考を含む論文集がBrepolsより出版された。その他、年度後半は、出版のための準備として、海外の研究者らにコンタクトを取り、プロポーザルの作成に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中より産前休暇に入り、海外に渡航することが難しくなり、当初予定していたイギリスでの資料収集を断念しなければならなくなった。そのため、初年度は、国内で基礎的研究(課題1と課題2)をするのみにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年6月時点で、来年度以降の国際学会の開催が未定のため、成果報告の計画については今後の状況を注視する必要がある。事業再開後は、国内で出来る基礎的研究に集中し、その結果を論文としてまとめることに多くの時間を割きたい。
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Causes of Carryover |
年度途中から産前休暇に入ったため、2019年度中の海外渡航が難しくなり、夏期または春期に予定していた渡英のための旅費を使用することが出来なかった。事業再開後に、2019年度に予定していた資料収集のための渡航を実施する予定である。
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