2023 Fiscal Year Research-status Report
ジャズと文学:日米文学研究とインプロヴィゼーション・スタディーズの視点から
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19K13115
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐久間 由梨 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90712646)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジャズ / ブラック・フェミニズム / 江利チエミ / 占領期 / ジャズ受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度から2024年度5月までの間に、日米のジャズおよびジャズ文学をジェンダーの観点から考察する研究発表を4回実施した。
2023年6月には、アメリカのミネアポリスで開催されたInternational Association for the Study of Popular Musicの国際大会にて、“The Dawn of Feminism in Post-occupation Japanese Jazz-influenced Songs”という個人発表を実施した。2023年10月には、日本アメリカ文学会全国大会にて、「ブラック・フェミニスト・ジャズ・スタディーズ―Farah Jasmine Griffin, Hazel V. Carby, Angela Y. Davisによるジャズの家父長制批判」という個人発表を実施した。2023年12月は日本ポピュラー音楽学会の全国大会で「江利チエミと占領期日本のジャズ/売春――ジャズ受容史研究とフェミニズム研究を交差させるとき」という個人発表を実施した。2024年5月は日本英文学会全国大会のシンポジア「危機の時代と批評」にて「『カモナ・マイハウス』――占領期日本の検閲政策をすり抜けるジャズ」という発表を行った。
これらの発表により、①アメリカのブラック・フェミニストによるジャズ批評の傾向を明らかにする、②日本の占領期におけるジャズ受容をジェンダーの観点から考えるという二つの研究課題を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本と海外の文学系・ポピュラー音楽系の学会にて、計4回の発表をすることができ、その際の質疑応答から研究の課題を見出し、より深めていくことができた。しかし、これらの発表の成果を論文として完成させるには時間が足りなかったため、2024年度の課題は論文執筆としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に着手することのできなかった論文執筆については、2024年度に進めていく予定である。日本の占領期におけるジャズ受容に関しては、日本あるいはアメリカのポピュラー音楽系の学会誌に投稿することを目標とする。
加えて、ジャズとジェンダーをめぐる単著を執筆する時間を作り、ブラック・フェミニストによるジャズ批評の傾向についての研究成果を、単著という形で出版することも目標である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍中に始まった研究のため、最初の2年間に予定していた海外出張に行くことができなかったことや、校務との両立が難しく英語論文執筆ができなかったことにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、2024年度の学会発表および英語論文執筆(校閲費用)のために使用させていただく予定である。
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Research Products
(4 results)