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2019 Fiscal Year Research-status Report

古代ギリシアとローマにおける修辞学的伝統の相互作用の研究

Research Project

Project/Area Number 19K13131
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

吉田 俊一郎  慶應義塾大学, 文学部(三田), 講師(非常勤) (00738065)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords西洋古典学 / 修辞学 / ギリシア語 / ギリシア文学 / ラテン語 / ラテン文学
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ギリシア・ローマの修辞学的伝統の相互作用について問うものである。古代ギリシア・ローマ世界の修辞学はしばしば統一された一つの理論体系として捉えられがちであるが、実際にはそれは古代世界において時代・地域に応じた大きな多様性を持っていた。そこで本研究は、ギリシアとローマという地域・言語の差が修辞学理論にどう影響しているかを、ローマで修辞学が成熟した紀元後一世紀以降の両者の共通性と独自性に着目し、両地域で著された様々な修辞学文献をこの大きな文脈の中に位置づけることで解明することを目的とする。
ギリシア・ローマの修辞学者たちの相互の影響のあり方は時代的に大きく三つの段階に分けられると想定される。すなわち、ギリシアで成立した修辞学がローマへ移入した時期、ローマで修辞学が成熟し両地域の修辞学が一体化した時期、両地域の修辞学が次第に互いに乖離し独自の発展を遂げた時期である。
本年度はまず、このうち最初の段階について、以後の段階を研究するための前提としての先行研究の総括を行った。続いて、第二の段階について、二つの側面に着目し研究を開始した。その一つは、この時期の修辞学者たちの両地域にまたがる活動の実態であり、もう一つは、この時代のギリシア語・ラテン語の修辞学理論書の相互関係である。これらの解明のために、主に紀元前1世紀後半から紀元後2世紀頃までのギリシア・ラテン双方の修辞学的文献を対象にして、両地域・言語における修辞学の相互の影響や、共通性、相違点などについて基礎的な調査を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画で設定した、古代ギリシア・ローマの修辞学者たちの相互の影響の変遷の三段階のうち、最初の段階について総括し、第二の段階について基礎的な調査を終えることができたため。

Strategy for Future Research Activity

当初の研究計画で想定した古代ギリシア・ローマの修辞学者たちの相互の影響の変遷の三段階に基づき、そのうち第二の段階について本年度の研究に引き続いて考察を行い、それを受けて第三の段階について調査を進めていく。

Causes of Carryover

本年度の研究が一次資料に対する基礎的な調査に比重を置くものとなったため、当初の予定よりは物品費・旅費の支出が少なくなった。次年度は広範な二次資料の使用や海外での文献調査・意見交換を積極的に行うことに使用していく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 古典期ラテン修辞学におけるcontroversia figurata(文彩つき模擬法廷弁論)について2019

    • Author(s)
      吉田俊一郎
    • Journal Title

      フィロロギカ

      Volume: 14 Pages: 36-59

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-01-27  

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