2023 Fiscal Year Annual Research Report
チェコ女性作家B・M・エリアーショヴァーと日本旅行記・ジャポニズム文学の研究
Project/Area Number |
19K13142
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
BRUNA LUKAS 実践女子大学, 文学部, 准教授 (10780827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジャポニズム / 日本趣味 / チェコ・中欧文学 / エリアーショヴァー / 日本近代文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2020年以降のコロナ感染症の拡大より実施にやや遅れが生じた、チェコ女性旅行家B・M・エリアーショヴァーの日本滞在中の動向や帰国後の執筆活動に関する調査をつづけると同時に、資料の調査・分析を踏まえた研究成果を公開した。また、本課題の今後の学術的展開を視野に、隣接領域の複数の研究者とのワーキング・グループを形成し、従来の研究を踏まえた新方面の研究活動も開始した。以下、今年度の主な研究成果の要点をまとめた。 ① 2023年6月に開催された日本比較文学会第85回全国大会にて、シンポジウム「原爆表象の受容と記憶の継承―冷戦期の東ヨーロッパを中心に」に参加し、「共産主義時代チェコスロヴァキアにおける「ヒロシマ」──原爆表象の受容、解釈と創出」というタイトルで、戦後チェコスロヴァキアにおけるヒロシマ・ナガサキをめぐる言説と政治プロパガンダとの関係について発表した。 ② 2023年10月に、本研究課題の関連イベントとして2021年に発足させた実践女子大学国文学科の特別講演会「世界文学とジャポニズム」の第3回を対面およびオンラインにて実施した。日本語で執筆活動を行うアメリカ出身の作家グレゴリー・ケズナジャット氏を講師に迎え、「なぜ第二言語で書くのか」という題目で、創作と言語、故郷や国籍など様々な問題をめぐる講演をしてもらった。 ③ 日本女子大学の成瀬記念館の協力を得て、B・M・エリアーショヴァーと日本女子大学校の関係について調査を進め、その成果を「女性旅行家B・M・エリアーショヴァーと日本女子大学校(一)── 一九一三年の大橋広との出会いと交流をめぐって」として2024年3月に『実践国文学』に発表した。 また、『チェコを知るための60章』(明石書店、2024年3月刊行)に、近現代チェコ文学における日本の表象について簡潔に解説した「ジャポニズム」を寄稿した。
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Research Products
(4 results)