2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study on the Acquisition of Japanese V-V Compounds
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19K13161
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
木戸 康人 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (30800841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複合動詞 / 修飾 / ノ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染リスクの問題から幼稚園や保育園に行くことが難しくなった。クラウドソーシングを用いた実験を計画しようと試みたが、実行にまでは至らなかった。一方、コーパス調査はコロナ渦であったとしても行えるため、昨年度はコーパス調査に力を入れた。具体的には、2020年12月20日に日本英文学会関西支部大会で慫慂発表を行い、コーパス調査の研究成果を報告した。 口頭発表では、ヒトが言語を獲得していく過程で2つの語を組み合わせる際に重要な概念の1つである「修飾(modification)」に着目した。複合動詞も2つの動詞の意味が合成的(もしくは非合成的)に組み合わせられることで作られる。その際、どちらかの動詞がどちらかの動詞を修飾しているため、「修飾」の概念の獲得は複合動詞の獲得にも重要な役割を果たしていると考えた。昨年度は、複合動詞ではなく、子どもが名詞を形容詞で就職する際に観察される不必要なノに着目した。具体的には、「赤いのブーブー」のようなものである。 子どもが修飾の概念を獲得する過程で観察される不必要なノがどのような過程を経て観察されるのか、また、それをどのように一般化できるかを考えた。口頭発表では、一昨年度よりもさらに1名のデータを増やした調査結果を報告した。その結果、新たに観察した1名のデータも、得ているインプットは異なるにもかかわらず、同じ発達過程をたどっていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、研究スタイルの変更を余儀なくされたことが起因している。今年度以降は、幼稚園や保育園に対面で赴くことが困難であると考えられるため、別の方法を考え出し、その方法で理解実験を行っていく必要がある。今
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Strategy for Future Research Activity |
年度は対面でなくとも行える心理実験の方法を考え出し、かつ、引き続きコーパス研究を進めていく。具体的には、昨年度まで取り組んだ修飾の概念の獲得の研究を複合動詞や複合名詞に応用させていく。そして、修飾の概念の獲得と複合名詞や複合動詞の獲得に関連性があるかどうかを調査する。
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Causes of Carryover |
昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大が原因で、研究が滞ってしまった。しかし、今年度はコロナ渦であったとしても研究を遂行していける研究スタイルを考え出し、研究を進めていく予定である。具体的には、クラウドソーシングを用いた研究も行っていく予定である。クラウドソーシングを用いた場合、謝金が必要になる。また、クラウドソーシングを用いるにあたって研究設備を整える必要がある。
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