2023 Fiscal Year Research-status Report
Non-native Speech Perception: Behaviour, Electrophysiology, and Articulation
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19K13166
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
横江 百合子 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (60823341)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子音連続 / 知覚錯誤 / 調音運動 / EMA / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,母語に存在しない音声に対するヒトの知覚処理メカニズムに焦点をあて,その機序を解明する.行動実験・脳波パタン・調音運動を包括的に評価することで,多角的なデータによる議論が可能となるよう計画されており,音声知覚モデルに関する新たな証拠を提供して理論に貢献することができる.特に,計画の中核を担う実験Ⅲでは,母語において不適格であるような音声にも,音響情報に忠実な聴覚表示が存在するか検証し,トップダウン型の修正がどの処理レベルに影響を及ぼしうるか明らかにする.同時に,上位処理による修正がなされた後も,音響情報に忠実な聴覚表示が保持されるかどうか検証する.実験Ⅳ・Ⅴでは,異なる文脈で研究されてきた2種の知覚錯誤現象を統合的に扱うことにより,日本語母語話者の音声知覚における音節の役割について新たな知見を齎す. 今年度は,子音連続の生成における調音運動の実態を広く明らかにするため,ロシア語およびヘブライ語の語頭子音連続の調音における口腔内の狭窄状態を観察することを目的として,実験を計画した. 実験の実施にあたり,最適な機器の選定、および実験実施方法の精緻化について研究し、特に超音波を用いた撮像方法に関して、慶應義塾大学医学部所属の医師を招いてワークショップを開催した。国立国語研究所および甲南大学・神戸大学などから研究者の参加があり、今後の超音波研究に資する有意義な議論の場を提供することができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東京およびその近郊在住のロシア語母語者およびヘブライ語母語話者の絶対数が少ないことに加え、磁気を用いた調音運動計測システムなど、一般に馴染みのない機器を用いた実験であり、拘束時間も長いことから、実験参加者の募集が当初想定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に入り、実験参加希望者が徐々に集まりつつあり、ロシア語母語話者については定員に達したため、実験設備の空きを待って、順次実験を開始できる見込みである。
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Causes of Carryover |
2023年度は、実験参加者の募集が想定よりも遅れたために支出が少ない状態で推移したため、次年度使用額が生じている。 2024年度についてはすでに複数の実験が実施予定となっているため、実験参加者への謝礼金、超音波撮像装置の購入、解析に用いるソフトの年次更新などで使用する計画を策定している。
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