2020 Fiscal Year Annual Research Report
予測的言語処理と作業記憶の相互作用メカニズムの解明ー脳波を指標とした多角的検討ー
Project/Area Number |
19K13182
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢野 雅貴 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (80794031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 言語認知神経科学 / 予測 / 脳波 / 作業記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語母語話者が基本語順文及び非基本語順を理解する際、前者と比較して後者のほうが負荷が大きく、それを反映して左前頭部で持続的な陰性波が観察されることが知られている。この陰性波は作業記憶の負荷を反映していると従来考えられてきた。しかし、本研究課題で行った脳波実験により、従来の仮説は妥当ではないことを示した。具体的には、非基本語順の使用が適切となる文脈がある状況下では左前頭部陰性波は観察されなかった。しかし適切な文脈がある場合、非基本語順において移動していると考えられる目的語が、主語よりも構造的に高い位置に基底生成されている可能性が考えられたため、容認度調査及び追加の脳波実験を行った。その結果、非基本語順の目的語は旧情報であるときでさえ移動要素としてのステータスを持ち、また義務的に再構築が要求される場合でも適切な文脈があると左前頭部陰性波は観察されなかった。以上のことから、左前頭部陰性波が談話レベルの負荷を反映している可能性を指摘した。
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Research Products
(7 results)