2022 Fiscal Year Research-status Report
現代日本語における「名詞の助数詞的用法」の実態解明を目指した雑誌コーパスの構築
Project/Area Number |
19K13184
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東条 佳奈 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 講師 (20782220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 名詞 / 数量表現 / 助数詞 / コーパス / 雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、助数詞のように数詞に続いて用いられる名詞である「名詞の助数詞的用法」を複数のコーパスより収集し、実態を明らかにすることを目的としている。「名詞の助数詞的用法」には、従来の助数詞研究では言及されてこなかった新たな数量表現である「擬似助数詞」も含まれる。 助数詞や「名詞の助数詞的用法」はフォーマルな書き言葉に多く出現することが分かっている。本研究では、既存のコーパスとの比較のため、BCCWJに収録されている刊行年とは異なる雑誌コーパスを新たに作成する。その上で文章特性を探ることを目的とする。 2022年度も、前年度に引き続き、(1)雑誌コーパス作成のための作業への従事と(2)「名詞の助数詞的用法」の特徴の分析を行った。 (1)については、作成費用との兼ね合いから、サンプリングおよび資料抽出方法の変更を行い、当初の予定よりも字数を減らした形(約80万字)で電子化作業を行った。 (2)に関しては、文章における「名詞の助数詞的用法」についての分析として、「前に来る数に制限がなく、典型的な助数詞に準じて助数詞体系を補うために使われる名詞」である「準助数詞」と「数と名詞との結びつきが臨時的であり助数詞の形を模した名詞」 である「擬似助数詞」について、人物を表わす名詞という共通する意味領域の語に注目し、前者の語例として「選手」、後者の語例として「投手」を対象に用法を比較し、その成果を論文として発表した。前年度に得られた成果もふまえ、名詞の助数詞的用法の特性について、総合的な分析を引き続き行っていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は前年度に達成できなかったコーパス作成作業を遂行したものの、計画全体としては遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画時よりも文字数を減らして電子化作業を行ったが、その分想定よりも予算に余裕ができたため、100万字程度までデータを補う予定である。計画当初の予定であった1985年の資料の収集を補うほどの予算は計上できないため、共時的分析を中心に、レジスター差の調査を行い、本研究の総括を行う予定である。
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Causes of Carryover |
電子化予定の文字数を抑えるための調整に時間がかかったため、2022年度に電子化作業が未発注の分が生じている。また、電子化する文字数を抑制したことでの余剰分も発生している。以上の理由から、次年度使用額が生じている。 次年度は外注の電子化作業費用およびチェックのための人件費、論文化のための資料収集、成果発表に係る諸費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)