2019 Fiscal Year Research-status Report
留学生・日本人学生の規範の横・縦断分析-接触場面会話での違和感・誤解に注目して-
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19K13232
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
勝田 順子 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (30571947)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異文化コミュニケーション / 接触場面会話 / フォローアップインタビュー / 規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国人留学生(中国、韓国出身の中上/上級日本語学習者)と友人日本人大学生の接触場面雑談会話(二者間)における両者の(1)母語・文化別および個別規範の解明、(2)規範変容の実態の解明を目的とする。 具体的には、接触場面における外国人留学生(中国、韓国出身の中上/上級日本語学習者)とその友人日本人大学生の会話収録、フォローアップ・インタビュー(以下FI)を横断的に行い、接触場面で違和感や誤解などの問題が起こった際に、それらの背後にある両者の規範を、母語・文化別および個別の観点から解明する。さらに、両者の会話収録、FIを縦断的に実施することで、その規範の変化の実態を解明する。 これらの調査を通じて、異文化接触の場面で起こる様々な違和感・誤解などの問題の根底にある規範はどのようなものであり、またその規範は変容するのかといった、増加する在留外国人との共生の在り方を考える上での重要な課題に示唆を与える基礎研究となることを目指す。 初年度の2019年度は、中国・韓国人留学生(大学/大学院生、中上/上級日本語学習者)とその友人の日本人大学/大学院生との二者接触場面雑談会話(8組、各30分、計4時間)および、FI(1人約1時間、計約16時間)を行った。FIは再生刺激法を用いて、会話を録画したものを見ながら1人ずつ行った。被験者には、①相手の行動(言語・非言語)で違和感を感じた箇所、また②自分の行動で良くなかったと思った箇所で録画映像を止め、その内容・そう感じた理由を述べるよう指示した。更に①②以外についても、調査者が必要と考えた質問を行った。 本研究は、FIを通じて被験者の保持する規範を明らかにすることを目的としている。今後、FIの文字化・分析を行い、話者が保持する規範について分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた調査(会話収録・FI)12組を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、FIの文字化を依頼し、その文字化資料および録画・録音資料について、質的分析を行う。結果は言語管理理論(Neustupny,1985)の枠組みを用いて説明し、母語・文化別および個別の規範を特定する予定である。 また同時に、2019年度に行うことができなかった会話収集・FI(12組)を行い、同様の分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた調査出張を行うことが叶わず、出張費、協力者謝金、施設利用料、文字化費用が使用されなかったため。 次年度は、今年度予定していた調査出張を行い、調査結果の文字化を依頼する予定である。
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