2019 Fiscal Year Research-status Report
Logbook for Tandem Learning
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19K13236
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇坂 真彩子 九州大学, 留学生センター, 講師 (90750662)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タンデム学習 / eTandem / 学習者オートノミー / 学習者同士の学び合い / 学習者ポートフォリオ / 言語学習アドバイジング / CMC / CEFR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文献調査およびタンデム学習の実践研究に基づき、タンデム学習を効果的に進めるためのLog Bookを開発しようとするものである。 2019年度は本研究の初年度にあたり、次のことを行った。 1)文献調査として、既存のLog Bookと関連する学習者ポートフォリオの収集を行い、内容の比較・分析を行った。 2)大阪大学文学研究科で授業の一環として実施された対面式タンデム学習の参加者に研究協力依頼をし、使用許可が得られた38の学習者ポートフォリオを収集し、データを整理した。その上で、収集した学習者ポートフォリオにメタ認知能力の向上が読み取れる2名の学習者ポートフォリオを質的に分析した。分析結果はIndependent Learning Association(ILA)学会で発表したいと考えている。 3)2019年5月~7月にドイツ(ハノーファー大学:Leibniz Universitaet Hannover)にいる日本語学習者と日本(九州大学)にいるドイツ語学習者がインターネットを介してタンデム学習を行う「Eタンデム・プロジェクト」を実践した。その際、学習の振り返りを促すために、上記の文献調査を基に作成した学習者ポートフォリオを導入した。日本人参加者2名に協力を得て、学習記録のデータを収集し、そのうち1名からは学習活動中の動画データも収集した。現在、収集したデータの分析を行なっているところである。 4)8月にEタンデム・プロジェクトのパートナー校であるハノーファー大学を訪問し、プロジェクトの参加者からのフィードバックを得た。それらをもとに実践の改善点について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の計画は、①既存のLog Bookを収集し内容を分析する、②大阪大学文学研究科で実施された対面式タンデム学習の参加者の学習者ポートフォリオを収集しデータを分析する。③ドイツと日本でインターネットを介した「Eタンデム・プロジェクト」を実践し、学習者記録データを収集・分析する、④研究成果を発表する、ということであった。①と②については概ね計画通りに進んでいる。①については今後も収集する必要があるが、②については当初の予定よりも多くの学習者ポートフォリオを収集することができた。③については、Eタンデムプロジェクトの実践は計画通りに実践することができたが、学習記録を付けない学習者もおり、データ収集ができたのは2名分であった。④については、発表を予定していた学会が延期されることになったためできなかった。また、2020年度に開催予定の学会についても、発表の申込みはしたものの、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で学会の延期が決まり、発表ができるかどうか不透明な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の計画は次の通りである。 ①前期中(5月~8月)にドイツと日本のEタンデム・プロジェクトを再び実践し、学習者ポートフォリオのデータを収集・分析する。②1年目の調査および①のデータをもとにLog Bookの試作品を作成する。③後期(10月~12月)の実践でLog Bookの試作品を使用して調査を行う。④Eタンデムで学習者が試作品のLog Bookをどのように使用したかを調査・分析する。⑤1年目に収集した対面式タンデム学習における学習者ポートフォリオの分析を継続する。⑥ここまでに得られた研究成果について学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度に参加を予定していた国際学会が延期されたため。
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