2021 Fiscal Year Research-status Report
Logbook for Tandem Learning
Project/Area Number |
19K13236
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇坂 真彩子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (90750662)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タンデム学習 / 学習者オートノミー / 学習者同士の学び合い / 学習ログ / 言語学習アドバイジング / 学習者ポートフォリオ / 日本語学習 / ドイツ語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文献調査およびEタンデムの実践研究に基づき、タンデム学習を効果的に進めるためのLog Bookの開発に取り組むものである。2021年度は本研究の3年目にあたり、次のことを行った。 1)2021年5月~7月および2021年10月~12月にドイツ(Leibniz University Hannover)にいる日本語学習者と日本(九州大学)にいるドイツ語学習者がインターネットを介してタンデム学習を行う「Eタンデム・プロジェクト」を実施した。その際、過去2年間の調査をもとに改善した枠組みを導入し、学期末に学習者が書いたポートフォリオのデータ収集、および参加者へのアンケート調査を実施した。 2)これまでに行った、①既存のLog Bookの内容分析、②大学の授業の一環として対面式タンデム学習を行った学習者が書いたポートフォリオの分析、③ハノーファー大学と九州大学で実施した「Eタンデム・プロジェクト」で学習者が書いたポートフォリオの分析から、Log Bookを試作した。 3)2)に基づき、Log Bookのウェブアプリを開発し、2021年10月~12月に実施した第4回目の「Eタンデム・プロジェクト」で、日本人ドイツ語学習者を対象にそれを導入し、Log Bookのデータ収集を行った。 4)授業の一環としてアドバイジングを行いながら、対面式タンデム学習を行った学習者が書いたポートフォリオを分析し、アドバイジングとポートフォリオの効果を分析した。また、その成果を口頭発表および講演として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の計画は1)対面式タンデム学習におけるポートフォリオの分析結果を公表する、2)既存のLog Bookの内容を分析・整理する、3)これまでに行ったEタンデムの実践に関する調査結果をもとにLog Bookを試作し、Eタンデム・プロジェクトに導入する。4)プロジェクト期間終了後に、Log Bookのデータ収集を行い、内容を改善する。5) 1)~4)をもとにLog Bookを完成する。6)本研究で得られた成果について、学会発表および学会誌への投稿を行い、ホームページに公表する。 1)~2)については、概ね計画通りに実施できた。3)については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でハノーファー大学への渡航を中止せざるを得なくなったため、ドイツ人日本語学習者へのLog Bookの導入を断念し、日本人ドイツ語学習者のみを対象として行った。また、計画を一部変更し、1)と2)および、Eタンデム学習者が書いたポートフォリオの分析結果をもとに、Log Bookの試作品をウェブアプリとして開発した。5)については、上記の理由から実践および調査が計画通りに進まなかったため、Log Bookの完成には至らなかった。6)については、1)から得られた研究成果についてのみ口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 2021年度に開発したLog Bookのウェブアプリを導入して、Eタンデム・プロジェクトを実施する。 2)プロジェクト期間終了後に、ドイツ語学習者と日本語学習者のLog Bookのデータ収集およびインタビュー調査を実施し、Eタンデム・プロジェクトにおけるLog Bookの効果を検証する。 3) 1)~3)をもとにLog Bookを完成する。 4) 本研究で得られた成果について、学会発表および学会誌への投稿を行い、ホームページに公表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2021年度に参加予定だった国際学会がオンラインでの開催となったこと、同様の理由により、ドイツでの調査ができなかったことによる。 未使用の旅費の一部については用途を変更し、Log Bookのウェブアプリを開発するのに使用した。 2022年度はドイツへの渡航のための旅費、および本研究から得られた結果の公表に使用する予定である。
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