2021 Fiscal Year Annual Research Report
「親子をつなぐことば」を育む母語・継承語学習―教科学習支援と二言語創作絵本-
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19K13245
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
滑川 恵理子 京都女子大学, 国際交流センター, 助教 (70813963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 外国につながる親子 / 母語学習 / 継承語学習 / 多言語絵本 / デジタル絵本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外国につながる親子による母語学習および継承語学習を対象に「親子をつなぐことば」を育成することの意義と課題を考察することである。 研究課題1の「母語学習」については、3年目(最終年)の2021年度は論文投稿に取り組んだ。外国につながる親子が戦争をテーマとする国語の教科学習に取り組んだ事例を分析し、2021年3月に投稿した。査読審査を経て『言語文化と日本語教育』(お茶の水女子大学日本言語文化学研究会)第56号に採択され、10月に発行された。 研究課題2の「継承語学習」については「親子による多言語創作絵本作り」に注力した。まず新たに2作品完成させ、前年度に完成させた作品も含め全5作品の電子絵本化(日本語と当事者の母語の二言語音声付動画、youtubeを利用)を完了させた。同時進行でウエブサイトを構築、2021年8月6日5作品のデジタル版を公開した。サイトは月平均で130人ほどの訪問者があり、海外(メキシコ、英国、米国、イタリア等)からのアクセスも見られる。ウエブ公開の効果は大きく、9月には新聞報道(京都新聞丹波版2022年9月5日)に協力した。また京都市国際交流協会(館内図書室に印刷版を配架、イベントに招聘参加)など外部との連携も広がった。 研究課題2に関わる発表として、MHB(母語・継承語・バイリンガル教育)学会研究大会(2021年8月8日、オンライン開催)におけるデモンストレーション、日本語教育学会秋季大会(2021年11月27日、オンライン開催)における「交流ひろば」に参加した。いずれも、「当事者の物語」を焦点化することや製作過程にこそ意義があることなどを議論した。また多言語創作絵本に関連した招聘執筆として、ドイツの継承語グループによるウェブサイトでのエッセイ(2022年7月公開予定)と、コラム(MHB学会20周年記念誌、2023年秋発行予定)の依頼を受けた。
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Remarks |
多言語創作絵本のデジタル版を公開するため2021年8月6日一般公開開始。Youtubeを利用した二言語音声付き動画によるデジタル絵本と、シンプルにめくるだけの見開き絵本の2つを公開している。日本語と組み合わせた言語は、中国語、スペイン語、アラビア語である。
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Research Products
(4 results)