2023 Fiscal Year Annual Research Report
Action Research on the Unification of the Japanese Essay Writing Assessment for Intermediate Japanese Level Foreign University Students
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19K13248
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Research Institution | Tsukuba Gakuin University |
Principal Investigator |
安達 万里江 筑波学院大学, 経営情報学部, 助教 (10823867)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | L2日本語 / ライティング評価 / オリジナリティ / 独自性 / ルーブリック / 中堅研修 / 評価研究 / 作文評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語中級レベルの学習者によって書かれた文章をデータとし「内容面」を対象に評価研究を行う。そして、文章の内容面を評価する際、どの人・言語・教育現場にも起こり得る「評価の不一致(ばらつき)」という問題解決に貢献することを研究目的とする。本研究課題は令和元年度より実施し、2度の延長を経て、令和5年度が最終年度であった。 本研究で得られた実績は2点である。 1点目は、文献調査で明らかになった「オリジナリティ(独自性)の評価が困難」という結果である。しかし、研究調査によって、評価者による評価データの不一致を確認する数値(標準偏差SDとフライスのκ係数から算出されたp値)の結果より、オリジナリティの評価は「全く一致しない」「一致させることは不可能」とは言えないということが分かった。この結果について、本研究に関心の高い研究協力者等と議論した結果、他の評価観点と比較するとオリジナリティに対する解釈の違いが最も大きいのではないかという結論に至った。 2点目は、現在もなお、機械による評価、人間による評価のいずれにおいても、「オリジナリティの評価は困難」という事実である。しかし、なぜこの点がL2日本語ライティング教育の評価研究では問題視されていないのか、管見の限り見当たらない。そのため、L2日本語ライティングの国内外における研究基盤(国語、英語、第二言語習得)の文献調査を続けることが課題である。 令和5年度に新たに採択された科研課題「L2日本語ライティングの評価研究―オリジナリティの理論構築と評価者トレーニング―」(基盤研究C:23K00643)に取り組み、研究を継続する。
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