2019 Fiscal Year Research-status Report
間主観性と英語教育政策ーマクロ・メゾ・ミクロレベルの政策実践分析を通して
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19K13264
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
福永 淳 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (00787963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語教育 / 言語政策 / 高等学校 / エスノグラフフィー / 間主観性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロレベルの言語教育政策である現行高等学校学習指導要領と令和2年度から実施の予定であった大学共通テストと英語民間試験活用との関係について二次資料と関連文献の収集と分析を中心に、研究協力者へのアンケートとインタビューの質問項目の開発を行った。総合的な英語四技能の力を評価するために導入予定であった英語民間試験に関する教育関係者の見方について、電子的に入手できない資料を得るため国立国会図書館で資料を収集し整理した。また、大学入試英語成績提供システムでの英語民間試験活用について議論した出版物の分析を行なった。英語教育の方向性を決める一連の施策「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画2013年12月公表」、「英語教育の在り方に関する有識者会議報告2014年9月:今後の英語教育の改善・充実方策について報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」、「生徒の英語力向上推進プラン2015年6月5日」、「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の 活用促進に関する連絡協議会2015年7月8日」、「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会作業部会」を整理した。同時に、学習指導要領を実践するメゾレベルの政策実践者である研究協力者向けのアンケートおよびインタビューの質問項目を開発していたところ、2019年11月1日に大学入試英語成績提供システムの延期が発表となり、11月15日には令和3年度大学入学者選抜に係る大学入試英語成績提供システム運営大綱の廃止が発表された。これに対応し質問項目の変更が必要となった。関連文献では欧州や北米の言語教育政策についての研究で言語教育政策とその施行についてマクロレベル、メゾレベル、マイクロレベルでの分析を行っている先行研究を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度入試から実施予定であった英語民間試験を活用した大学入試英語成績提供システムの延期とその運営大綱の廃止をアンケート及びインタビューにも反映させるため質問項目の変更が必要となった。研究者が家人の主要介護者であり家人が8月に他界したことにより、高等学校の授業のない夏季休業中に研究協力者への質問用紙調査と聞き取り調査を行うことができなかった。また、COVID-19の感染防止のため2月下旬から高等学校の授業が実施されなかったことに対応し、研究活動のため高等学校を訪問することを控えたため春休み期間中にも行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き学習指導要領および英語教育改革に関連するマクロレベルの言語教育施策を現在審議中のものも含め整理を行う。メゾ・ミクロレベルで言語教育政策を実践する研究協力者に質問用紙調査と聞き取り調査を行い、遅れているフィールドワークでのデータと資料収集を行い分析を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的な感染拡大に伴い国際学会での発表(3月開催予定米国コロラド州)と参加予定であった国内の研究会(3月開催予定東京)が中止となったことによる旅費の支出がなくなったこと、また、フィールドワークも行えなかったため出張旅費、研究協力謝金、フィールドデータ分析謝金が生じなかったためである。
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Research Products
(1 results)